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物流や製造の現場では、商品を「運ぶ」だけでなく、「どう包むか」も重要なポイントです。特に近年注目されているのが「リターナブル包装」という仕組みです。
この記事では、リターナブル放送の意味やメリット、導入時の注意点について解説します。
リターナブル包装とは?
リターナブル包装とは、回収して繰り返し使用できる包装資材のことです。
「リターナブル(returnable)」という言葉の通り、一度使った包装を回収して再利用する仕組みです。
例えば以下のようなものがあります。
・折りたたみ式のプラスチックコンテナ
・頑丈なパレット
・専用の金属製ケースやボックス
これらは輸送が終わった後、空になった状態で回収され、再び出荷時に使われます。
リターナブル包装が活用されている理由
なぜ、物流の現場でリターナブル包装が利用されているのでしょうか。ここでは3つの理由について紹介します。
1. 作業や輸送の効率化
リターナブル包装資材は、製品ごとに最適化された設計がされている場合が多く、作業者が迷わず使用できるようになっています。
また、強度があり形状も安定しているため、パレットへの積載やトラックへの積み込みがしやすく、作業時間の短縮につながります。輸送時の荷崩れや破損のリスクも軽減され、安全性も向上します。
2. 廃棄物の削減
使い捨ての段ボールや緩衝材を使用する場合、その都度廃棄物が発生します。これに対し、リターナブル包装は繰り返し使うため、ゴミがほとんど出ません。
廃棄物処理にかかる手間やコスト、さらには環境への負荷を減らすことができ、企業の「環境配慮型物流」への貢献につながります。
3. 企業イメージの向上
環境に配慮した取り組みは、企業にとって重要な社会的責任(CSR)のひとつとされます。
リターナブル包装の導入は、持続可能な物流体制を構築している証となり、取引先や消費者に対して好印象を与える効果があります。特に環境意識の高い取引先や海外企業とのビジネスにおいては、評価されるポイントとなることもあります。
リターナブル包装の導入前に知っておきたいこと
リターナブル包装の導入にあたり、最初に包装資材を購入するための初期投資が必要です。
しかし、何度も使えるため、長期間で見れば段ボールなどの使い捨て資材を都度購入するよりも、コストパフォーマンスが良くなる可能性があります。
また、近年では資材の使用状況を可視化できるIoT技術を活用した管理システムも登場しており、在庫管理や回収漏れの防止にも役立っています。
リターナブル包装の活用におけるポイント
リターナブル包装をうまく活用するためには、いくつかの準備や配慮が必要です。
● 回収ルートの設計
使用後の資材を確実に回収するには、回収ルートやスケジュールを事前に計画しておくことが重要です。
回収がうまくいかないと資材が不足し、業務に支障が出る可能性があります。物流会社や納品先と連携して、資材の循環がスムーズに行える体制を整えましょう。
● 保管スペースの確保
使用後の資材は再利用されるまで一時保管する必要があります。
そのため、自社や取引先に一時保管スペースを確保する必要があります。スペースの有無や管理方法も、導入前にしっかり確認しておきましょう。
● 関係先との連携
リターナブル包装は自社だけで完結するものではありません。荷主・物流会社・納品先など複数の関係者が協力して運用する必要があります。
資材の扱いに関するルールや運用マニュアルを共有し、共通認識を持つことが成功のカギとなります。
まとめ
リターナブル包装は、「環境にやさしい」だけでなく、「作業効率化」や「コスト削減」にもつながる実用的な仕組みです。
物流や製造の現場で資材や工程を見直すタイミングに、リターナブル包装の導入は未来への投資として検討する価値があると言えるでしょう。