目次
- 物流企業の7割が『原価高騰の影響を受けている』と回答
- 高騰分のカバーは、『原価高騰を補填できていない』が40%、『値上げ』20%、 『デジタル化による省人化・効率化』は5%に留まる
「働く」に関する社会課題をビジネスで解決する、キャムコムグループの株式会社ロジテック(本社:東京都港区高輪、代表取締役:川村将臣、以下ロジテック)は、人材不足や2024年問題など大きな課題に直面している物流業界において、「現場の実態はどうなっているのか」の視点で、物流企業で働く全国の1,000名超を対象に、定期調査を行っております。
第1回目の調査テーマは、「原価高騰の影響と対策のリアル」として、昨今叫ばれて久しい原価高騰について、実際の現場の状況はどうなのか?どこまで影響が出ていて、その影響をどう補填できているのか、できていないのかのリアルな状況を調査しました。
サマリー
- 物流企業における原価高騰の影響は、「大きく影響を受けている」「若干影響を受けている」が 合計72%おり、多くの企業が影響を受けていることが分かる。
- 一方、影響が少ない企業は約28%という回答結果であった。
- 原価高騰の大きな要因は、「燃油価格の高騰」が7割、「人材不足・人件費高騰」が5割の企業が挙げており、原因のTOP2となった。
- 「ドライバーの高齢化による効率悪化」も28.2%と高く、人材不足とともに高齢化も表面化しており、高齢化などは今後もますます進行していくと思われる。
- 原価高騰を「補填できていない」と回答した企業が40%に上り最多。利益を削って対応している会社が多い。
- 補填の取組みとしては、「サービス料金の値上げ」「経費の削減」が約20%ずつと、次いで「人件費のカット」「労働時間の削減」が約10%と続き、取り組んでいる会社が多い。
- 会社規模別では、小さい会社ほど原価高騰を補填できておらず、サービス料金の値上げや経費削減がしづらい結果となった。
調査対象者について
原価高騰の影響について
あなたの会社では、物流業界における原価高騰の影響を受けていますか?
- 「大きく影響を受けている」「若干影響を受けている」が合計72%
- 「あまり影響を受けていない」「まったく影響を受けていない」が合計28%
原価高騰の原因として考えられることを、影響度が高いと思うものは何ですか?
- 「燃油価格の高騰」「人材不足・人件費高騰」がTOP2。過半数の企業が過大視。
- 「ドライバーの高齢化による効率悪化」も28.2%と高く、人材不足とともに高齢化の問題が表面化している。
- その他、「電気などのインフラ費」「新型コロナ」「ロシア・ウクライナ紛争」などが続き、物流に限らない市場全体の影響が挙げられている。
〈従業員規模別〉原価高騰の原因として考えられること
- 会社の規模で、原価高騰の要因の違いは見られない。
原価高騰の影響を、何でカバー、補填、または吸収していますか?
- 「補填できていない」が40.4%で最多。利益を削って対応している会社が多い。
- 次いで「サービス料金の値上げ」「経費の削減」が約20%ずつ。その後「人件費のカット」「労働時間の削減」が約10%と続き、人材不足とのジレンマが切実な印象。
- デジタル化や取引先の見直しなどの業務プロセスの改善は、あまり進んではいない状況が垣間見える。
〈従業員規模別〉原価高騰のカバー、補填の取組み
- 小規模の会社の方が補填できていない。また、サービス料金の値上げがしづらいことが分かる。
- 規模が大きい会社の方が、サービス料金の値上げや経費の削減で、補填できている会社が多い。
実施した補填策のうち、効果が出たものは何ですか?
- こちらも「補填できていない」企業が最多であることは変わらず。
- 補填策のうち、効果があったものは「サービス料金の値上げ」「経費の削減」が多い。
- 「人件費のカット」「労働時間の削減」は実施企業の6割ほどしか効果が出ていない形。
物流マッチングプラットフォーム「ロジパレ」への興味
- 弊社サービス「ロジパレ」については多くの企業が興味を寄せていただき、特に多くの拠点や物流事業者ネットワークがある点、および、無料で使用できる点が関心が高い。
- 原価高騰の対策として、外部パートナーを増やし、得意領域をシェアリングすること、需給バランスを平準化することへの関心もうかがえる結果となった。
総括
原価高騰による影響は多くの企業に出ており、補填策をもたず、利益の低減を容認するしかない企業が多数であることが分かりました。
補填策も、サービス料金の値上げや経費削減などの代表的な取り組みが多く、デジタルの活用や取引先を変えるなどのサプライチェーンの構造まで手を加える会社が稀であることが分かります。これは、原価高騰の原因の1つでもある『人材不足、人件費高騰』もあり、対応力が不足している、対応する人がいないことが考えられ、悪循環化が生じていると言える。
これらの問題は、2024年問題においてさらに深刻化することが予想されるところであり、業界全体の課題として模索していく必要があります。
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