平置きとは?10分で解説

2025.10.24

倉庫や物流センターでよく耳にする「平置き」という言葉。
経験が浅いうちは聞き慣れないまま業務の中で自然と使ってしまうこともあるでしょう。
実はこの言葉は、荷物の保管方法を表しており、倉庫運営や在庫管理の効率に大きな影響を与える重要な概念です。

本記事では「平置き」の基本的な意味から、メリット・デメリット、さらに近年の物流現場での活用方法までをわかりやすく解説します。

📌 ポイントはここ
  • 平置きとは、床やパレットに直接商品を置いて保管する方法のこと
  • メリットは扱いやすさや柔軟性、デメリットは保管効率の低さ
  • 近年はシステム管理や自動化と組み合わせる事例が増えている

平置きの基本的な意味

平置きとは、倉庫内で商品を棚に収めず、床やパレットに直接置いて保管する方法を指し、
「床に直接置く方法」「パレットの上に置く方法」の両方を含みます。
つまり、ラックなどの専用設備を使わず、水平面に商品を置くスタイルを指します。

・床に直接置くケース

床に段ボールや商品をそのまま置く形態です。
搬入・搬出がスムーズで、作業の手間が少ないのが特徴です。
ただし、湿気やホコリの影響を受けやすく、品質管理の工夫が必要になります。

・パレットに載せて置くケース

木製や樹脂製のパレットに商品をまとめて置く方法です。
フォークリフトで移動がしやすく、商品が床に直接触れない分、清潔さや安全性が確保しやすいです。
こちらも広義の平置きに含まれます。

この方式は歴史も古く、物流拠点の立ち上げ初期や、短期間の在庫保管によく用いられます。
特に多品種小ロットを扱う現場や、すぐに出荷する前提の商品では今も多くの倉庫で採用されています。

平置きのメリット・デメリット

平置きにはいくつかの利点があり、現場で柔軟に対応できる点が評価されています。
主なメリットは次のとおりです。

平置きにはいくつかの利点があり、現場で柔軟に対応できる点が評価されています。 主なメリットを以下にまとめます。

・取扱いが簡単

棚やラックを設ける必要がなく、すぐに置ける点は最大の利点です。
突発的な入荷量増加や、短期間だけ使う臨時倉庫にも向いています。

・柔軟性が高い

商品のサイズや形状に左右されにくく、大型品や不定形な貨物も収容できます。
ラックに収まらない資材や機械部品も平置きであれば対応可能です。

一方で、平置きには注意すべき点もあります。代表的なデメリットを以下にまとめます。

・空間効率が悪い

床面を広く使うため、天井高を活かせません。
結果として、同じ倉庫面積でも棚保管より収納量が少なくなります。

・在庫管理が複雑になりやすい

棚番号やロケーションコードを付けにくいため、棚保管に比べると在庫管理の工夫が必要になります。
システムを導入していない現場では、人に依存した運用になりやすい点が課題です。

平置きと棚保管の違い

平置きと棚保管は、どちらも倉庫で一般的に用いられる保管方法ですが、特徴や適したシーンは異なります。
平置きは柔軟で即応性に優れる一方、棚保管は効率的で在庫管理がしやすいのが強みです。
両者の保管方法を、商品や現場の状況に応じて使い分けることが重要です。

比較項目 平置き 棚保管
保管効率 低い(床面を広く使うため) 高い(天井高を活かせる)
柔軟性 高い(大型品・不定形貨物も置ける) 制約あり(棚寸法に依存)
在庫管理 難しい(場所を特定しにくい) 容易(棚番号で管理可能)
即応性 高い(すぐに置ける・取り出せる) 中程度(棚への収納・取り出しに手間)

物流現場での活用事例

近年の物流業界では、平置きが単なる「簡易な保管」以上の役割を果たすようになっています。
例えば、EC通販の返品商品や、短期間で回転するセール品を一時的に平置きするケースがあります。
また、自動倉庫やWMS(倉庫管理システム)と連携し、平置きエリアを「フリーロケーション」として登録し、デジタルで管理する事例も増えています。

特に大型荷物や重量物はラック保管が難しいため、平置きが依然として欠かせない方法です。
こうした背景から、現代の倉庫でも平置きは柔軟性を生かして活用され続けています。

平置きを採用するうえでのポイント

平置きを効果的に運用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは主な注意点を以下にまとめます。

・衛生・品質管理

直接床に置く場合は湿気対策やシート敷きが欠かせません。
食品や精密部品などは特に注意が必要です。

・作業動線の確保

無秩序に置くと人の通路を塞ぎ、ピッキング効率が下がります。
レイアウト設計や通路幅の設定が重要です。

・管理ルールの徹底

「仮置き」のまま放置すると在庫の滞留につながります。
入庫から出庫までのルールをあらかじめ明確にしておくことが求められます。

まとめ

平置きは、床やパレットに直接商品を置いて保管する方法で、扱いやすさや柔軟性の高さが魅力です。
しかし、保管効率や在庫管理のしづらさといった課題も抱えています。
現代の倉庫運営では、システムや設備と組み合わせながら平置きを活用し、効率と柔軟性を両立させることがポイントです。

平置きに関するよくある質問とその答え

Q1. 平置きはすべての荷物に使えますか?
A. 基本的には使えますが、食品や精密機器など品質管理が重要な商品は棚保管の方が
 適しています。

Q2. 平置きは一時的な方法として使うものですか?
A. 一時保管に向いていますが、大型製品や重量物など棚に収めにくい貨物には 
 常用されるケースもあります。

Q3. 平置きとパレット保管は別物ですか?
A. パレットの上に置く方法も平置きに含まれます。
 直接床に置くかどうかで管理方法が変わる点を理解しておくことが大切です。

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