MaaS連携物流とは?10分でわかりやすく解説

「MaaS(Mobility as a Service)」という言葉は、公共交通や移動サービスをまとめて扱う仕組みとして広がってきました。最近は、この考え方を物流にも応用する動きが進んでいます。輸送手段をネットワーク化し、状況に応じて組み替える発想が広まり、従来の輸送モデルでは埋もれていた改善余地が見えてきました。ここからは、物流分野でどのように取り入れられているのか具体的に整理していきます。

📌 ポイントはここ
  • MaaS連携物流とは、MaaSの仕組みを物流に取り込み、輸送手段を統合的に管理する取り組みを指す
  • 複数の事業者・交通モードを連携させることで、積載効率や配送計画の最適化につながる
  • 都市部の共同化や地方の輸送維持など、実務での活用が広がり始めている

MaaS連携物流とは何か

MaaS連携物流とは、移動サービスをまとめて扱うMaaSの発想を物流に取り入れ、複数の輸送手段をひとつの基盤で管理する取り組みです。
荷物の条件に合わせて、トラック・鉄道・バスの貨客混載・小型モビリティなどを柔軟に組み合わせられるようになります。
プラットフォーム上で手配できるため、状況に応じてルートを組み替えやすく、空車の発生も抑えられます。トラック偏重になりがちな輸送網に、新たな選択肢を加えられる点が特徴です。

MaaS連携が注目される背景

深刻なドライバー不足に加え、都市部では荷さばきスペースの不足や交通規制の強化が重なり、従来のトラック主体の配送だけでは回らない場面が増えてきました。
こうした状況を受け、鉄道やバスの空きスペース、観光地の巡回モビリティなど、既存の移動インフラを物流に転用する動きが広がっています。

地域の交通データと配送情報を同じ基盤で扱えるようになれば、混雑時間帯の回避や積み合わせの調整が行いやすくなります。自治体にとっても、路線維持や地域サービス向上と結びつけやすく、連携の機運が高まりつつあります。

MaaS連携物流の仕組み

ここでは、実務でどのように動くのかを整理します。

輸送モードの組み合わせ

MaaS連携物流では、複数の輸送手段をデジタル基盤で統合します。
たとえば、都市部では幹線部分を鉄道に任せ、住宅街は小型EVでつなぐ構成が考えられます。
地方では、路線バスの空きスペースを使い、日用品を地域の配達拠点へ運ぶ事例も生まれています。組み合わせ方が増えることで、配送方法の選択肢が広がります。

プラットフォームによる可視化

複数の輸送手段を組み合わせる場合、車両ごとに管理方法が異れると全体像がつかみにくくなります。
そこで、運行状況や積み残しの有無を1つの画面に集約し、動きを一覧で確認する仕組みが使われます。

地図上で「今どの車がどこにいるか」「どの便に余裕があるか」がわかれば、渋滞や急な追加配送に合わせて、どのルートを組み替えるか判断しやすくなります。
荷主が同じ情報を見られるようになれば、納品時間の調整や問い合わせ対応もスムーズになります。

データを基軸にした運行調整

配送計画を立てる際は、交通量の増減や曜日別の需要、地域イベントの開催状況などを事前に押さえておくと、混雑や積み残しを避けやすくなります。MaaS連携の取り組みでは、こうした情報を関係者間で共有し、混む時間帯は鉄道へ切り替えたり、荷量が少ない日はバスの空きスペースを活用したりと、車両の動きを柔軟に調整する運用が行われています。

物流現場での活用シーン

MaaS連携物流がどのような場面で生かされているかを紹介します。

📦物流現場での活用シーン
  • 都市部での共同配送

    商業エリアでは、店舗ごとにトラックが出入りすると渋滞を招きます。MaaSの仕組みを使い、複数の荷主荷物を束ねて同じ便で配送すると、街中の交通負荷を抑えられます。拠点間連携が進むほど、配送ルートの重複も解消されていきます。

  • 地方での貨客混載モデル:

    人口が減る地域では、バス路線の維持が難しくなっています。そこで、空きスペースに荷物を載せる取り組みが広がりつつあります。MaaS基盤を用いると、運行ダイヤと配送便を無理なく調整でき、路線維持に貢献します。

  • 観光地でのラストワンマイル配送

    観光シーズンは交通が混みやすく、トラックの乗り入れが難しい場所もあります。そこで、拠点から先を小型モビリティに切り替える配達が採用される場合があります。輸送手段を切り替える判断がしやすくなる点が、MaaS連携ならではの利点です。

導入にあたっての課題

メリットだけでなく、乗り越えるべき課題も存在します。

⚙️ 導入の現状と課題
  • データ共有のハードル

    事業者ごとにシステムが異なり、情報をまとめにくい場面があります。セキュリティ規定の違いも壁になります。連携を進めるうえでは、必要最小限のデータをどう共有するかが焦点となります。

  • 費用負担の分担

    複数の企業や自治体が関わるため、投資負担の整理が欠かせません。 便益がどこに生まれるかを丁寧に分析し、納得できる仕組みを作る必要があります。

  • 地域特性への適合

    都市型と地方型では、求められる仕組みが大きく異なります。 万能のモデルは存在しないため、地域の交通事情に合わせて調整する姿勢が重要です。

今後の展望

MaaS連携物流は、実証段階から本格運用へ向けた取り組みが増えています。幹線輸送の置き換えだけではなく、地域交通との一体運用、観光・住民サービスと絡めた活用など、応用範囲も広がる見通しです。企業が単独で最適化を目指すのではなく、地域全体で輸送資源を使いこなす流れが徐々に形成され始めています。

まとめ

MaaS連携物流は、移動手段を統合管理するMaaSの発想を物流に取り入れた取り組みです。複数の輸送モードをつなぐことで、積載効率の向上や地域交通との共生を目指します。現場では、共同配送、貨客混載、ラストワンマイルの柔軟化など、さまざまな実務に応用できる点が注目されています。今後の物流施策を考えるうえで、押さえておきたい概念と言えます。

MaaS連携物流に関するよくある質問とその答え

Q1. MaaS連携物流と共同配送の違いは?
A: 共同配送は「複数荷主の荷物をまとめて運ぶ仕組み」を指します。MaaS連携物流はその上位概念で、輸送モードの切り替えや地域交通との連動も含む広い考え方です。

Q2. 小規模企業でもMaaS連携物流に参加できますか?
A: 可能です。地域の交通事業者と連携したモデルも多く、大規模投資を必要としない形も増えています。自治体主導での参加窓口が設けられるケースもあります。

Q3. 導入すると何が変わる?
A: 運行状況の可視化が進み、配送ルートの見直しがしやすくなります。トラック以外の移動手段を選べるため、交通量の多い地域や人手が足りない場面でも柔軟に対応できます。

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