ゾーンピッキングとは?10分でわかりやすく解説

2026.01.21

倉庫内のピッキング作業は、出荷スピードや人手負荷を左右する工程です。その中で、現場で広く使われている手法の一つが「ゾーンピッキング」です。作業者の動線を整理し、役割を分担することで、ムダな移動や待ち時間を抑えやすくなります。
この記事では、ゾーンピッキングの考え方から仕組み、評価されている現場までを整理し、実務でのイメージが湧くよう丁寧に解説します。

📌 ポイントはここ
  • ゾーンピッキングとは、倉庫を区画(ゾーン)に分け、担当者が自分のゾーンのみをピッキングする方式
  • 作業分担で効率化できる仕組みである一方、仕分けや合流工程が前提になる
  • 取扱SKUが多く、出荷件数が安定して多い倉庫で効果を発揮しやすい

ゾーンピッキングとは?

ゾーンピッキングは、倉庫内作業の標準化を進めるうえでよく採用される考え方です。まずは全体像と、他方式との違いを押さえておきましょう。

ゾーンピッキングの概要

ゾーンピッキングとは、倉庫内を複数のエリア(ゾーン)に分け、各作業者が担当ゾーンの商品だけをピッキングする方式です。
一人の作業者が倉庫全体を回る必要がなくなり、移動距離を短く保ちやすくなります。
ピッキング後の商品は、コンベヤや仕分け場で集約され、最終的に出荷単位へまとめられます。

ゾーンA担当 → 商品A ゾーンB担当 → 商品B ゾーンC担当 → 商品C 合流・仕分け → 出荷

他のピッキング方式との違い

ピッキング方式には、トータルピッキングやバッチピッキングなど複数の考え方があります。
ゾーンピッキングの特徴は、「人の移動を減らす代わりに、後工程での集約を前提とする点」にあります。
そのため、単純な作業スピードだけでなく、全体レイアウトや物量バランスを含めて検討する必要があります。

ゾーンピッキングの仕組みと流れ

ここでは、実際の作業がどのように進むのかを段階的に見ていきます。

倉庫内をゾーンに分割する

最初のステップは、倉庫レイアウトをもとにゾーンを設定することです。
商品カテゴリ別、保管温度帯別、出荷頻度別など、分け方は現場の特性によって変わります。
ゾーン設計が曖昧だと、作業量に偏りが出やすくなるため注意が必要です。

各ゾーンでのピッキング作業

作業者は自分の担当ゾーンに留まり、指示された商品だけをピックします。
移動距離が短く、作業内容も限定されるため、慣れるまでの時間を抑えやすい点が特徴です。
一方で、作業の単調さが増すため、ローテーションなどの工夫が求められる場合もあります。

商品の合流と仕分け

ゾーンごとに集められた商品は、仕分け場やコンベヤで合流します。
ここで出荷先別・オーダー別にまとめ直され、梱包工程へと流れます。
この合流工程が滞ると全体が詰まりやすくなるため、設備能力や動線設計が重要になります。

ゾーンピッキングのメリット

ゾーンピッキングが評価される理由には、現場運営に直結する利点があります。

🚚 メリットまとめ
  • 移動距離の削減による効率化:

    倉庫全体を歩き回る必要がなくなり、作業者一人あたりの歩行距離が短くなります。 その結果、ピッキングに集中しやすくなり、処理件数の安定化につながります。 体力的な負荷が抑えられる点も見逃せません。

  • 作業の標準化と教育のしやすさ:

    担当ゾーンが限定されるため、作業手順を揃えやすくなります。 新しく入った作業者でも、覚える範囲が狭く、早期に戦力化しやすい構成です。 品質のばらつきを抑えたい現場では、特に効果を感じやすいでしょう。

ゾーンピッキングのデメリットと注意点

便利な方式である一方、導入前に理解しておきたい点もあります。

⚙️ 導入の現状と課題
  • 合流工程がボトルネックになりやすい:

    ゾーンピッキングは、後工程での集約が前提です。 仕分け設備や人員配置が追いつかない場合、そこで滞留が発生します。 部分最適に陥らないよう、全体フローを見渡した設計が欠かせません。

  • 物量バランスの調整が必要:

    ゾーンごとの出荷量に差があると、作業の待ち時間が生じます。 繁忙ゾーンだけが常に忙しく、他が手待ちになるケースも珍しくありません。 定期的なゾーン見直しや柔軟な応援体制が運用上のポイントになります。

どのような現場で活用されているか

ゾーンピッキングは、取扱SKUが多く、出荷件数が日々安定している倉庫で効果を発揮しやすい方式です。物量の見通しが立つ環境では、ゾーンごとの作業量を設計しやすく、担当分けによる効率化が機能しやすくなります。
また、倉庫面積が広く、ピッキング距離が長くなりがちな拠点では、作業者の移動を抑えられる点が評価されやすい傾向があります。


多品種商品を扱い、一定量の出荷を継続的に処理する拠点では、ゾーンピッキングが採用されるケースが多く見られます。特に、コンベヤや仕分け設備などと組み合わせることで、ゾーンごとの作業を前提としたレイアウトが構築しやすくなり、全体の処理能力向上につながりやすくなります。

まとめ

ゾーンピッキングは、倉庫を区画化し作業を分担することで、移動のムダを抑えやすい方式です。
効率化や教育面での利点がある一方、合流工程や物量バランスには配慮が求められます。
自社の物量特性やレイアウトを踏まえ、全体最適の視点で検討することが導入成功の近道です。

ゾーンピッキングに関するよくある質問とその答え

Q1. 小規模な倉庫でもゾーンピッキングは使えますか?
ゾーン分けによる効果が出にくい場合があります。作業者が少ない場合は、シンプルな方式の方が合うこともあります。

Q2. ゾーンの分け方に正解はありますか?
唯一の正解はありません。商品特性、出荷頻度、設備条件を踏まえ、現場に合った分け方を検討します。

Q3. 繁忙期だけゾーンピッキングに切り替えることは可能ですか?
可能なケースもあります。ただし、合流工程や指示方法が変わるため、事前の準備と周知が重要になります。

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