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目次
物流現場では、作業量や人員配置を考えるうえで「工数」という考え方が欠かせません。その中でも見落とされやすいのが作業外工数です。実際の作業をしていない時間でありながら、現場運営に大きな影響を与える要素で、改善の余地も多く残されています。言葉だけを見ると地味ですが、コストや生産性を左右する重要な切り口です。
- 作業外工数とは「直接作業以外に費やされる時間」のこと
- 待機・移動・段取りなどが発生要因になりやすい
- 倉庫・輸送・納品管理の現場で改善対象として注目されている
作業外工数とは何か
作業外工数とは、ピッキングや荷役、仕分けといった直接的な作業以外に発生する時間を指します。人が現場にいて稼働しているにもかかわらず、付加価値を生まない時間とも言えます。作業を支えるために必要な側面はあるものの、増えすぎると全体の効率を押し下げます。
現場では「仕事をしていない時間」と誤解されがちですが、必ずしも無駄とは限りません。
作業外工数の中には、安全確保や品質維持に必要なものも含まれています。
重要なのは、内容を正しく分解し、管理できる状態にすることです。
作業外工数(定義と捉え方)
- 定義:ピッキング・荷役・仕分けなどの直接作業以外に発生する時間
- 性質:現場にいて稼働していても、付加価値に直結しにくい時間
- 注意点:「仕事をしていない時間」と誤解されやすいが、安全・品質のために必要なものも含む
- ポイント:内容を分解して、管理できる状態にすることが鍵
作業外工数に含まれる代表的な例
作業外工数は、現場ごとに形を変えて現れます。代表的なものを整理すると、共通点が見えてきます。
待機時間
トラックの到着待ち、指示待ち、前工程の遅れによる待機などが該当します。
作業者の手が空いていても動けていない時間で、工数や賃金が膨らむ原因にもなります。
準備不足や工程が不透明な場合に、発生頻度が高くなります。
移動時間
倉庫内の長距離移動や、拠点間の移動も作業外工数に含まれます。
レイアウトや動線が整理されていないと、気づかないうちに時間を消費します。
積み重なると、無視できない負担になります。
段取り・準備作業
作業前後の準備、道具の手配、情報確認なども対象です。
直接成果は出ませんが、作業を成立させるために欠かせない工程でもあります。
段取り・準備作業を最適化することで改善の余地が見つけやすく、時間外工数の減少につなげられます。
なぜ作業外工数が問題になるのか

作業外工数が増えると、同じ人数・同じ時間でも処理量が伸びません。
結果として、人件費あたりの生産性が下がり、コスト構造が悪化します。
忙しさの割に成果が見えにくい現場では、この影響が表に出やすくなります。
また、作業者の負担感にも直結します。
待ち時間が多い現場ほど、無駄に疲れるという声が多く聞かれます。
数字として把握しない限り、感覚論で終わってしまう点も見逃せない課題です。
作業工数との違いを整理する
作業工数は、ピッキング数量や荷役回数など、成果と結びつく時間です。
一方、作業外工数は成果に直接つながらない時間を指します。この区別が曖昧だと、改善の方向性を誤ります。
作業工数と作業外工数の違い
作業工数
- 成果(処理量)に直結する時間
- 例:ピッキング、仕分け、荷役、検品、梱包
- 増減の主因:作業手順・技能・設備・作業量
作業外工数
- 成果に直接つながりにくい周辺時間
- 例:待機、移動、段取り、指示待ち、情報確認
- 増減の主因:工程の遅れ・動線・計画/指示の精度
両者を分けて考えることで、「作業が遅い」のか「作業以外が多い」のかが見えてきます。改善策を外さないためにも、まずは作業工数なのか、作業外工数なのかを見極め、仕分けていきましょう。
作業外工数を減らすための考え方

作業外工数をゼロにすることは現実的ではありません。
ただし、減らせる部分と受け入れる部分を分けることは可能です。
見える化から始める
まずは、どこでどれだけ発生しているかを把握します。
時間計測や作業分類を行うことで、思わぬところに偏りが見えてきます。
感覚ではなく事実を基に話せるようになり、改善の優先順位も整理しやすくなります。
数字で示せれば、現場内の認識ズレも抑えられるでしょう。
発生源ごとに対策を考える
待機ならスケジュール調整、移動ならレイアウト変更、段取りなら手順統一といった具合に、原因別に手を打ちます。一括りにしないことが、改善を進めるコツです。
工数の性質に合った対策を選ぶことで、効果が現れやすくなります。
結果として、無理のない形で作業時間の圧縮につながります。
昨今の物流現場での捉え方
人手不足が進む中、作業外工数の扱い方は、これまで以上にシビアになっています。
単純に人を増やすのではなく、時間の使い方そのものを見直す動きが広がっています。
とくに、倉庫管理システムや作業実績データを活用した分析が進み、改善の精度も高まってきました。
作業外工数は「削減対象」であると同時に、「設計対象」でもあります。
どこを残し、どこを減らすのか。その判断が、現場力を左右します。
まとめ
作業外工数は、物流現場の生産性を静かに左右する存在です。直接作業だけに目を向けると、課題を見誤ります。内容を分解し、数字で捉え、対策を講じることで、現場は着実に変わっていきます。日々の業務を振り返る視点として、意識しておきたい考え方です。
作業外工数に関するよくある質問とその答え
Q1. 作業外工数は無駄な時間と考えてよいですか?
A: すべてが無駄というわけではありません。安全や品質を支える時間も含まれるため、内容を見極めることが大切です。
Q2. 作業外工数はどのように測定しますか?
A: 作業を分類し、時間を記録する方法が一般的です。簡易的にはストップウォッチや作業日報からでも把握できます。
Q3. 作業外工数の改善は誰が主導すべきですか?
A: 現場の実態を知る人が中心になります。ただし、仕組みやルール変更が伴う場合は、管理側との連携が欠かせません。



