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2026年2月、株式会社ロジテック主催で「第2回ロジパレフォーラム」を開催しました。テーマは「物流改革の現在地とこれから 法改正がもたらす"実装のリアル"」。2024年に施行された物流二法改正を受け、官公庁、荷主、物流事業者、研究者が登壇し、制度の実装における現場の課題を掘り下げました。
登壇者の一人が、株式会社クボタ物流統括部 担当部長の武山ALEX義知氏です。
同社は年間何万本ものコンテナを輸出し、「コンテナラウンドユース」を推進。東京都との官民連携により、ホンダ、パナソニック、サントリーなど15社が参加する実証実験で目標3倍に対して約3.8倍の成果を達成、CO2削減量は1,500トン規模に達しています。
今回は、フォーラム終了後に武山さま(以下、敬称略)に、コンテナラウンドユースの実践と官民連携の意義、そして今後の展望について、お話を伺いました。
製造業にとっての物流とは ー 責任ある物流への意識転換
――クボタさんにとって物流とは、事業全体の中でどんな役割を持っているのでしょうか。
武山: 我々は製造業です。作った製品を買ってくださるお客様に、安全で欲しい時にお届けするというのが、物流部隊としての使命なんですね。物流がないと物は運べないので、非常に大事なエレメントだと思ってます。
ここにあるペットボトルだって、どこかが製造してくれて、運ばれてきたものです。昔は「我々はモノを作るだけ。モノを運ぶのは物流会社さん」っていう認識が少なからずあったと思うんです。ただ、今はそうじゃないでしょうと。例えば我々は、年間何万本もコンテナを出してるわけですよね。トラックでコンテナを運んだり、船で運んだりするとCO2も出すし、運転してくれてる方々の生活もあるし、体も休めてもらわなきゃいけない。道路だってみんなが一斉に行っちゃったら渋滞してアイドリングで無駄なCO2が出る。
ドラスティックには解決できないかもしれないけど、みんながそういうことをちょっとずつできたら、みんなでやることで大きくなるでしょう。1+1が2以上になる。そういうことを考えるのも我々の責任だと思いますし。だからみんなで協力して、業界の枠を超えて、官と民の枠も超えてやったらいいのかなと思ってますね。
コンテナラウンドユースの実践 ー なぜ今まで実現できなかったのか
――コンテナラウンドユースは、簡単に思いつきそうですが実行が難しい取り組みだと思います。なぜ今まで実現できなかったのでしょうか。
武山: みんな外を知らなすぎたんですよ。進めていこうとすると、壁にぶつかっちゃう。すると、次に行ける道が分からない。ぶつかると止まっちゃうんですよね。でも、いろいろな事柄を知っていると、ぶつかってもこういう迂回路がある、というのがわかるんです。まず横の連携がとれているというだけでも随分違いますね。
「うちがどれくらい日本の中で他の企業と比べてやっているのか」というと、ダントツ1位なのは我々なんです。それはうちが偉いんじゃなくて、やりやすい環境にあるんですよ。つくばっていう東京港から効果が出やすい距離があって、しかも輸出があるとやっぱり組みやすいんです。
でも、相手がいないとできないし、その時点でもう手をつないでますよね。輸入、輸出関係なくみんながつながってるんですよ。
官民連携の推進 ー 東京都との協働で見えた成果
――今回の東京都との官民連携の取り組みについて、もう少し詳しく教えていただけますか。
武山: 実は今、JILSっていう日本ロジスティクスシステム協会、物流関係協会で、国交省と打ち合わせしながら、どういう方向に進めていこうかって。官民連携ですよね。ただし、国交省が「国のお金も入れて、こういう実証実験やりましょう」って言ったところで、お金は出せても荷物がないんですよ。荷物は我々が持ってるわけで。最初は10社やって、今年は15社です。
――実証実験の成果はいかがでしたか。
武山: フジテレビの取材で東京都とうちと、あとうちのパートナーで運んでくれる方とやるんだけれども。目標3倍のところ、3.8何倍だから4倍近い。それぐらいやっぱりみんな気合い入ってて。わざと大きい企業から小さい企業まで入るように選んだんです。
量が少なくてどうしようかっていうところもあえて入れました。そうするとリアルになる。しかも試験的な取り組みなんだから、成功失敗ってなくて、ここを直そうねということがあるだけです。
助成金をもらっているから、今までかかっているコストよりかかることがないから失敗ってないじゃないですか。
横のつながりが生む可能性 ー 競争より協調

――企業間の横のつながりについて、どのようにお考えですか。
武山: 横のつながりって実はみんながびっくりするぐらいある。物流のことって、同じコンテナ輸送すれば同じような悩みが多いじゃないですか。だから競争は製品ですりゃいいんですよね。
同じようなものを使っているんだったら、悩みは同じであるはずで、逆に協力できることもあるはずなんです。
そういう情報交換をすごく活発にやっているんだけど、当然自分の製品の話は一切しないですよ。物流の話だけです。そうすると、ここではできないけど、紹介し合ってできることもいっぱいあって。これが最大とは思ってないので、それをもっともっと広めるべきだと思うし、日本海側とか九州とかそういうところもみんながつながってね。
――無償で協力されているというのは驚きです。
武山: できたことも嬉しいし充実感があります。それでお金をもらうわけじゃないんですよ。そういう商売をしたいわけじゃないから。でも紹介だから別にいいじゃんと。それでみんながハッピーになって。そのつながりがさらに広まっていったらいいんじゃない? と思っています。
今後の物流業界への期待 ー オールジャパンで挑む
――今後の物流業界について、どのような期待をお持ちですか。
武山: やっぱりみんなで協力するということ。海外への荷物の船の問題とか、港の問題とかもいろいろあるでしょうし、ただ悩んでいるだけじゃだめで、みんなで協力してオールジャパンの体制で挑んでいくというような形になれば、必ずアイデアも出てくるだろうし、もちろん失敗とか課題も出てくるだろうけど、簡単に考えられて簡単に実行できることはもうやっているはずなので。
これから何か新しいことをやらなきゃいけない状況なので、ハードルは少なからず今までより高いはずなんですよ。だからやらないという選択はなしにして、やってから無理だったと言いなさいよと。
みんなで知恵を出せば何かしらアイデアが出るはずなので。みんなで協力して一丸となって、物流環境負荷軽減もそうだし、日本の主要な航路をもっと強化するとか、いろいろな課題はあると思うけど、みんなで取り組んでいけば、必ずそういう道は開かれるはずだと思うので、ぜひ皆さんで協議をして、いい物流環境を作っていけたらいいなと思っています。
――最後に、ロジパレジャーナルの読者の皆さんへメッセージをお願いします。
武山: みんなが参加しやすいようにしなきゃいけないというのと、やっぱりこれはみんなでやるのがいいことだと思っているので。我々は荷主企業だし、実際運んでもらってるのは物流企業の皆さんだし、あとは官民連携で、今回は東京都の皆さんと協力してやってるんだけど、やっぱりこうやってみんなに知ってもらえる機会があるのはいいですね。
どんなにいいことでも、知らない人にとっては存在しないのと同じことなんで。自分自身や自分の会社で何かできることがないかなと感じている方々が見てくれてると思うんですよね。だからそういう方々に広く知ってもらえたらいいなと思います。
株式会社クボタ 武山さまへのインタビューの様子は、以下のURLから動画でもご覧いただけます!
【特別インタビュー】クボタが考える物流とは?武山部長が語る「民民・官民連携構想」【第2回ロジパレフォーラム After Session|Vol.2】
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企業プロフィール
会社名:株式会社クボタ
本社所在地:大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号
設立:1890年



