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コロナ禍でオンライン開催されていたEC物流フォーラム(主催:ロジスティクス・パートナー)が、4年振り完全リアルイベントとして、2023年11月21日に虎ノ門ヒルズで開催されました。当日は、様々な講演プログラムが実施され、EC業界に携わる様々なプレイヤーが集まり、会場は熱気に包まれました。
弊社の川村(株式会社ロジテック代表取締役)も登壇し、「EC物流で○○○○に困ったら○○○○ で実現するEC物流改善」というテーマで40分の講演を行いました。本講演は、EC市場の急成長に伴って顕在化してきた物流の課題とその改善策について最新の事例を踏まえながら解説する実践的な内容です。ご参加いただいた方々から高評価を頂けましたので、ここで講演の一部をレポートさせて頂きます。
<講演レポート>
EC物流にはトラブルがつきもの
EC物流におけるトラブルは避けられない現実です。講演では、大手ECサイトが、急成長する商品宅配サービスへの対応として新しい物流センターへの移転を計画し、それがトラブルになった事例が挙げられました。この計画はコロナ禍による需要の急増に対応するため、予定より約2年早められましたが、当日に納品時間の遅れやオペレーションの混乱など、さまざまな問題が発生しました。
トラブルが発生した原因として川村は3つの要素を挙げました。
- 商品コードが統一されていない
- 入庫前の棚卸ができていない
- 商品コードと実物の商品が一致していない
こうして一般的なトラブルを眺めてみると、トラブルの原因は物流オペレーションの不備に起因すると言わざるを得ません。ここでは、「EC荷主と物流会社が協力しなければ最適なオペレーションを実現できない」、これが川村の最も伝えたかったことです。
EC 物流を取り巻く環境
続いて、EC市場の2030年までの拡大予測と、それに伴う物流業界への影響についての分析も紹介されました。D2Cや中規模プラットフォーマーの増加が注目され、これが物流業界に与える影響、特に2024年問題、すなわち物流業界のキャパシティオーバーが懸念されます。多品種少量を扱うECは、「物流業界にとっておいしくない」と敬遠され、物流の滞留やサービスレベルの低下が問題となっています。
この状況は、物流ノウハウを持つ企業と持たない企業の間での分裂を引き起こし、自社での物流オペレーション構築の重要性を浮き彫りにしました。安定したサービスを提供できる自社物流の確立が、今後のEC市場においてますます重要になっていくことが強調されました。
事業成長と物流カスタマイズ
弊社の川村は、「事業の成長に伴い、物流のカスタマイズは不可欠になる」と熱弁をふるいます。その背景には、EC事業の初期段階では自社での在庫管理と出荷が主流であるが、ボリュームの増加に伴いアウトソーシングへの移行が必要になることが挙げられます。しかし、3PLに一括で依頼することのデメリットもあります。そこで、自社物流を視野に入れ、必要なノウハウを自社で蓄積することの重要性に気が付かなければならないのです。
物流アウトソーシングが悪いわけではありませんが、オペレーション構築を完全に任せきりにすることが問題です。物流アウトソーサーや3PL事業者は物流のプロでありながら、EC(商品、流通)の特性は様々であり、荷主の求める最適な物流を簡単には実現できないという現実があるからです。
「理想的な物流オペレーションを確立するためには、ノウハウを自社で蓄積するためにトライアンドエラーを一緒にやってくれる新たなパートナーが必要ではないですか」と川村は会場の参加者へ問いかけました。
ロジテックのサービス「ロジパレ」
ここで、ロジテックの革新的なサービス「ロジパレ」が紹介されました。物流業界の「運輸」「倉庫」「3PL」を含む500社以上のパートナー企業が参加する物流総合マッチングプラットフォームです。ロジパレは、既存の3PLでは実現できない拡張性や自由度を提供し、物流問題の解決においてその有効性を示します。
事例として、倉庫作業のカスタマイズ、大規模セール時の商品仕分け、輸入・入庫・保管・流通加工のスポット対応などが紹介されました。そして、「ロジパレを利用することで、柔軟な物流オペレーションを実現し、ビジネスのスケーラブルな成長を実現しませんか」と川村が最後のメッセージを投げかけます。パートナーマッチングの新たな可能性を示せたところで参加者から温かい拍手をいただき、講演は無事に終了しました。
物流の未来への進化と革新
いかがでしたでしょうか。この講演を通じて、EC物流の未来は自社物流の最適化と進化に大きく依存していることが明らかになりました。これは、充実した物流オペレーションによってのみ可能となります。そして、ロジパレのような総合マッチングプラットフォームの活用が、繁忙期や急な変動にも強い物流体制の構築を支援し、EC市場のさらなる成長を後押しすることでしょう。物流業界の将来は、変化に適応し、革新を続けることで、新しい可能性が開かれることが期待されています。
講演プログラムの終了後、会場の外ではスピーカーデスクが設けられ、弊社の川村との名刺交換が行われました。おかげさまで、多くの参加者と意見交換できる貴重な場となりました。次回の講演やセミナーでも、物流業界に関わる皆様のご参加をお待ちしております。