ショアリングとは?10分で分かりやすく解説

2025.05.30

物流の現場では、荷物を運ぶだけでなく、守る工夫が求められます。なかでも、輸送中のトラブルで特に多いのが荷崩れです。その対策として注目されているのが「ショアリング」です。今回は、物流現場の安全と品質を守るための技術、ショアリングについてわかりやすく解説します。

ショアリングとは?

ショアリングとは、コンテナやトラックの荷室内で、貨物が動かないように木材や角材などを使ってしっかりと固定する作業のことです。輸送中、車両の揺れや振動、カーブでの遠心力などによって荷物は簡単に動いてしまいます。その結果、荷崩れが起きて商品が破損したり、荷下ろし作業が困難になったりするのです。

ショアリングは、こうした輸送中の振動や衝撃から貨物を守るための「支え」のような存在です。まさに、縁の下の力持ちといえる技術といえるでしょう。

なぜショアリングが重要なのか?

現代の物流は、スピードだけでなく「安全・確実な配送」が求められます。いくら早く届けられても、中身が壊れていては意味がありません。

ショアリングは以下のようなメリットをもたらします

・貨物の破損リスクを大幅に低減


ショアリングによって貨物がしっかり固定されることで、輸送中の振動や揺れによるズレを防げます。これにより、荷物同士の接触や転倒による破損リスクが大きく減少します。特に繊細な製品や高額品の輸送には欠かせない対策です。

・作業効率の向上


荷物が崩れていなければ、到着後の荷下ろしや倉庫内での仕分け作業がスムーズに行えます。荷姿が整っていることで、作業者の負担も軽減され、時間短縮にもつながります。全体のオペレーション効率を高める効果が期待できます。

・クレームや返品の防止


輸送中に商品が破損すると、返品対応や再出荷など、手間とコストが発生します。ショアリングによって荷崩れを防ぐことで、商品を良好な状態で届けられ、顧客からの信頼も損なわずに済みます。結果として、企業のブランド価値も守られます。


どのようにショアリングを行うのか?

ショアリングに使用される主な資材は以下の通りです:

・木材・角材:荷物と荷室の隙間を埋め、動きを防ぐ
 

木材や角材は、コンテナ内で荷物が動かないようにするための基本的なショアリング資材です。荷物と壁面の間に差し込んでしっかり固定することで、振動や揺れによる荷崩れを防ぎます。比較的安価で扱いやすいため、汎用的に使われています。

・パレット用スペーサー:パレットのズレ防止に活用
 

スペーサーは、パレットとパレットの間に挟むことで、隙間をなくし、荷台上でのズレを防止します。特に重い荷物や段積みされた商品を安定させるのに有効です。安全性だけでなく、作業効率の向上にもつながります。

・ストッパー・クッション材:細かいスペースに対応
 

ストッパーやクッション材は、木材では対応が難しい小さな隙間や曲面にも柔軟に対応できる資材です。荷物へのダメージを抑える役割もあり、繊細な商品や形状が不規則な貨物に対して効果を発揮します。緩衝効果も兼ね備えている点が特徴です。

実際の作業では、貨物のサイズや形状に応じて資材を選び、隙間なくしっかりと固定します。荷物の重量バランスや、どの方向に荷物が動きやすいかといったポイントを考慮することが重要です。

ショアリングと他の荷崩れ防止策との違い

ショアリングは、荷物と荷室の空間を埋めて支えるという点で、ラッシング(ベルトでの固定)やストレッチフィルムによる巻き付けなどとは異なるアプローチです。
状況に応じて、これらの方法と組み合わせて使うことで、より強固な固定が可能となり、安全性がさらに高まります。

まとめ

ショアリングは、一見地味な作業に見えるかもしれません。しかし、その役割はとても重要です。荷崩れのリスクを抑え、商品や現場を守ることが、物流品質の向上や顧客満足につながるからです。

今後、物流の現場で「効率」と「品質」を両立させるためにも、こうした基本的な工夫や技術への理解がますます求められるでしょう。ショアリングは、そんな物流の土台を支える、大切な技術のひとつです。

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