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目次
物流センターの仕分け工程では、出荷精度と処理スピードの両立が欠かせません。
こうした現場で活躍する仕分け設備の一つがスライドソーター方式です。
コンベヤ上を流れる荷物を、横方向に滑らせて行き先別に分ける構造が特徴で、EC物流や多品種出荷の現場を中心に導入が進んできました。この記事では、仕組みから評価される理由、導入時の注意点までを整理します。
- スライドソーター方式とは、荷物を横にスライドさせて仕分ける自動仕分け装置
- 連続搬送しながら分岐でき、省スペース化と高速処理を両立する仕組みがある。
- 小〜中型荷物を大量に扱うEC・通販系の物流拠点でよく使用されている
スライドソーター方式の基本構造

スライドソーター方式は、ベルトやトレイの上に載った荷物を、行き先に応じて横方向へ押し出すことで仕分けを行います。停止させずに分岐できる点が最大の特徴です。まずは、全体像を押さえておきましょう。
横スライドによる仕分けの仕組み
コンベヤ上を一定間隔で流れる荷物の下には、スライド機構が組み込まれています。仕分けポイントに到達すると、その機構が瞬時に作動し、荷物を左右いずれかのシュートへ滑らせます。荷物は前進を続けながら分岐するため、ライン全体が止まりません。
制御はバーコードやWMSと連動
どの荷物をどこへ送るかは、バーコードやQRコードの読み取り結果に基づいて制御されます。多くの場合、倉庫管理システム(WMS)と連携し、出荷指示データをリアルタイムで反映します。人の判断を介さないため、誤仕分けの抑制にもつながります。
スライドソーター方式の特徴と強み
数ある自動仕分け設備の中でも、スライドソーター方式が選ばれる理由は明確です。処理能力だけでなく、レイアウトや運用面での柔軟さが評価されています。
高速かつ連続処理が可能
荷物を一度も停止させずに仕分けできるため、処理能力が高くなります。時間帯によって出荷量が集中する現場でも、滞留を抑えやすい構造です。結果として、出荷リードタイムの短縮に寄与します。
比較的コンパクトな設計
縦方向に大きな落差を必要としないため、仕分けライン全体をほぼ同じ高さで構成できる点が特徴です。上階へ持ち上げたり、深いシュートに落としたりする工程がなく、床面に沿って横に広がるレイアウトになります。
その結果、天井高が低い倉庫や柱・梁が多い建屋でも配置しやすくなります。
大規模な建屋改修を行わずに、既存拠点の一部を自動化したいケースとも相性が良い方式です。
荷姿への対応力
ケース品や小包など、比較的軽量で形状が安定した荷物と相性が良い方式です。衝撃を抑えた横移動となるため、内容物へのダメージを避けたい商材にも向いています。
他の仕分け方式との違い

自動仕分け装置には複数の方式があります。スライドソーター方式を理解するには、他方式との違いを知っておくと判断しやすくなります。
クロスベルトソーターとの比較
クロスベルトソーターは、個々の台車に小型ベルトを備え、非常に高い処理能力を発揮します。その一方で、設備規模が大きくなりやすく、初期投資や保守コストも相応にかかります。
スライドソーター方式は、そこまで極端な処理能力を求めない現場において、処理量・設置スペース・コストのバランスが取りやすい選択肢です。
ピーク時の物量を無理なくさばければ十分、という運用であれば、過剰な設備になりにくい点があります。
シューソーターとの違い
シューソーターは、複数のシュー(押し出し部品)が連動しながら荷物を斜め方向へ送り出します。大量処理に向く一方、可動部が多く、制御や調整が複雑になりがちです。
スライドソーター方式は、押し出し動作が限定された構造で、部品点数も比較的抑えられています。
そのため、調整箇所が把握しやすく、点検や部品交換の手順もシンプルです。
日常的な保守作業の負担を抑えやすく、安定稼働を重視する現場で選ばれやすい方式と言えます。
導入時に押さえておきたいポイント
便利な方式であっても、現場条件と合わなければ効果は限定的です。導入前に検討すべき視点を整理してみましょう。
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荷物サイズと重量の見極め:
スライドソーター方式は、極端に重い荷物や不定形物には不向きです。 想定する最大重量や最小サイズを洗い出し、仕様範囲に収まるかを確認する必要があります。
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将来の物量変動への対応:
現在の物量だけでなく、数年後の増減も考慮した設計が求められます。 仕分け口数の拡張性や、ライン延長の可否は早い段階で検討しておくと安心です。
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人作業との役割分担:
全自動化が難しい工程と、スライドソーターで自動化する工程を切り分けることが重要です。 人と設備の動線を整理することで、全体効率が高まります。
昨今の物流現場での活用動向
近年は、EC需要の拡大により、多品種・小ロット出荷が常態化しています。出荷先や物量の振れ幅が大きく、人手だけで仕分けを回し続けることに難しさを感じる現場も増えてきました。
スライドソーター方式は、必要な処理能力を見極めたうえで導入しやすい点が評価され、中規模クラスの物流拠点を中心に採用が進んでいます。
新設センターに限らず、既存センターの一部工程に組み込み、まずは負荷の高い仕分け作業から自動化するケースも見られます。
将来的な物量増加を見据え、仕分け先やライン延長の余地を残した設計とすることで、段階的な拡張を検討しやすい方式として位置付けられています。
まとめ
スライドソーター方式は、荷物を横に滑らせて仕分ける自動化手法です。連続処理によるスピード、省スペース性、安定した仕分け精度が強みとなり、EC物流をはじめとした多品種出荷の現場で評価されています。荷姿や物量を見極めたうえで導入すれば、出荷工程全体の底上げにつながります。
スライドソーター方式に関するよくある質問とその答え
Q1. スライドソーターは、重量物の仕分けにも使えますか?
A. 一般的には軽量〜中量物向けです。重量物は別方式を検討した方が安定します。
Q2. 既存倉庫へスライドソーターを後付けするんは可能でしょうか?
A. レイアウト次第で対応できます。床面積と動線の確保が判断材料になります。
Q3. 人手仕分けと比べて何が変わりますか?
A. 処理スピードと精度が安定します。ピーク時の負荷平準化にも効果があります。



