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目次
食品や医薬品など、温度に敏感な商品を扱う現場で欠かせないのが「定温物流」です。
冷蔵・冷凍ほど厳格ではないものの、常温よりも安定した環境が求められるケースは少なくありません。
定温物流は、品質保持と効率的な流通を両立させる仕組みとして、多くの物流現場で採用されています。この記事では、定温物流の基本から現場での活用ポイントまでを整理します。
- 定温物流とは、一定の温度帯を保ちながら商品を保管・輸送する物流形態
- 冷蔵・冷凍ほど低温ではなく、温度変動を抑える管理が前提
- 食品・医薬品・化粧品など品質安定が重視される流通現場で使用されている
定温物流の基本を押さえる

定温物流を理解するには、まず「どの温度帯を、なぜ維持するのか」を整理する必要があります。
定温物流とは何か
定温物流とは、あらかじめ設定した温度(例:15℃前後、20℃前後など)を保った状態で、保管や輸送を行う物流の仕組みです。常温輸送では外気の影響を受けやすく、品質変化のリスクが残ります。そこで、空調設備や温度管理機器を使い、庫内や車両内を安定させます。冷蔵・冷凍と比べるとエネルギー負荷は抑えやすく、コストと品質のバランスを取りやすい点が特徴です。
常温・冷蔵・冷凍との違い
常温物流は設備負担が軽い一方、季節や天候による影響を受けがちです。冷蔵・冷凍は品質保持力が高いものの、設備投資や運用コストが膨らみます。
定温物流はその中間に位置づけられ、品質を維持しながら、過度に低温へ設定することなく、不要な温度変化を抑えた安定管理が可能です。この「中間領域」をどう使うかが、物流設計の工夫どころです。
定温物流の仕組みと運用ポイント
定温物流は、設備だけでなく運用面の設計も品質を左右します。
定温倉庫の役割
定温倉庫では、空調設備によって庫内温度を一定範囲に保ちます。
断熱構造や気密性も重要で、外気の影響を最小限に抑える設計が求められます。
温度センサーでの常時監視により、異常があればすぐに対応できる体制が一般的です。
保管中の温度履歴を残すことも、信頼性向上につながります。
定温輸送の考え方
輸送時も同様に、車両内の温度管理が欠かせません。
定温車は冷蔵車ほど強力な冷却装置を持たない場合が多く、積み込み時の温度やドア開閉の管理がポイントになります。積載効率や配送ルートを工夫することで、温度変動を抑えやすくなります。倉庫と輸送を一体で考える視点が重要です。
定温物流が活用される主な分野

定温物流は、特定の業界に限らず幅広く利用されています。その中でも特に利用頻度が高いのが、食品や医薬品、化粧品といった分野です。これらの業界では、どのような場面で定温管理が求められているのでしょうか。
食品分野での利用
菓子類、飲料、加工食品などは、極端な低温を必要としない一方、高温には弱い商品が多くあります。定温管理により、風味や食感の変化を抑えられます。季節変動の大きい日本では、安定供給を支える仕組みとして定着しています。
医薬品・化粧品分野
医薬品や化粧品の中には、常温では品質が不安定になるものがあります。定温物流を使えば、成分劣化や変質のリスクを抑制できます。品質基準が厳しい分野ほど、温度管理の「ちょうどよい範囲」を守ることが評価されます。
昨今の物流業界における定温物流
近年は、品質トラブルの防止に加え、物流全体の効率を見直す観点からも定温物流が注目されています。従来は安全性を優先し、冷蔵管理が選ばれていた商品についても、適正な温度帯を再検討する動きが広がってきました。必要以上の冷却を避けることで、エネルギー使用量を抑えやすくなります。
あわせて温度データの可視化が進み、現場での判断精度も高まっています。その結果、コスト管理と品質保証を両立しやすい運用につながっています。
まとめ
定温物流は、常温と冷蔵・冷凍の間を埋める実務的な物流手法です。温度を「下げる」こと自体が目的ではなく、商品に適した環境を安定して保つ点に価値があります。設備と運用をセットで考えることで、品質と効率の両立が見えてきます。
定温物流に関するよくある質問とその答え
Q1. 定温物流と冷蔵物流は同じですか?
A. 同じではありません。冷蔵物流は低温帯を維持するのに対し、定温物流は中温帯を一定に保つ点が異なります。
Q2. 定温管理はどのくらい厳密に行う必要がありますか?
A. 商品特性によりますが、数度の変動でも品質に影響する場合があります。そのため、許容範囲を明確にした管理が行われます。
Q3. 定温物流はコスト削減につながりますか?
A. 冷蔵・冷凍に比べて設備負担が軽くなるケースが多く、条件次第では全体コストを抑えやすくなります。



