フォワーダーとは?10分でわかりやすく解説

フォワーダーとは?

フォワーダーとは、貨物を預かり、他の運送手段を活用して国内外への輸送を手掛ける専門業者のことを指します。主に海外輸送を担当し、国際物流に不可欠な役割を果たしています。

フォワーダーの定義と役割

フォワーダーは実際に船舶や航空機を保有せず、他者の運送手段を利用することで国際的な輸送を可能にします。つまり、他の事業者の運送手段を用い、荷物を輸送先へ届ける仲介役を果たすのがフォワーダーの主な任務です。

フォワーダーは顧客から貨物を受け取り、運送手段やルートを選定、手配し、また必要な書類の作成や税関手続きなどを代行します。手続きが複雑で、各国の法制度や規則に詳しい知識が必要とされる国際物流を、円滑に進行させるための存在です。

また、フォワーダーはそれぞれ異なる規模のビジネスや貨物を扱い、必要なサービスを提供しています。これにより、企業は自身の需要に応じて適切なフォワーダーを選ぶことが可能です。

フォワーダーの歴史

フォワーダーの起源は、国際間の輸送が大容量化、大量化した19世紀初頭ごろに遡ります。産業革命に伴い、大量の生産物を迅速かつ安全に輸送する手段として、物流業者が中継業者として登場しました。

戦前の日本では「乙仲」と呼ばれる業者がこの役割を果たしていました。そして現代では、物流が高度化、複雑化する中で、専門的な知識をもってサービスを提供するフォワーダーが存在し、グローバルな物流を支えています。

フォワーダーが果たす国際物流の役割

フォワーダーが果たす役割は多岐に渡ります。その主なものは、荷主と運送業者との仲介、輸送手段・ルートの選定・手配、関税・税金の手続き、保険手続きなどです。これらにより、輸出入がスムーズに行われるよう支えています。

さらにフォワーダーは、輸送における危険予知や問題解決、コスト削減など、多角的な視点から顧客をサポートします。具体的には、適切な運送手段やルートを選択し、最短・最安の輸送を実現することが求められています。

フォワーダーの活用シーンと効果

フォワーダーは、国際貿易を行う企業にとって大きな味方です。海外進出を考えている企業は、さまざまな障壁に直面します。言葉の壁、文化の違い、税関手続き、各国の法律など、国内事業とは異なる問題が多く存在します。

その際に登場するのがフォワーダーです。文化、言語、法律などに詳しく、物流まで一手に引き受けるので、企業側は商品開発や市場販売など、本業に専念できます。

また、フォワーダーは大規模な運送を一手に引き受けるため、個々の企業が独力で行うよりも効率的な運送を可能にします。これにより、企業は物流コストの削減、業務効率の向上を図ることができます。

フォワーダーと乙仲の違い

全世界の物流を支えているフォワーダーと乙仲。しかし、これらの違いを理解している人は少ないのではないでしょうか?実は、この2つの名称はなんと同じ存在を表しております。それでは、それぞれの意味と位置づけ、選択ポイントについて詳しく見ていきましょう。

乙仲とは?

乙仲という言葉は、戦前には海運組合法の下で登録業者の一部を指す言葉として使われておりました。当時の乙仲は、貨物を運送手段に乗せる一方的な業務を担い、高い専門性と信頼性をもって活動しておりました。

しかし、近年でいうところの乙仲という業態は、現行の法律的な枠組みの中では存在しません。 そのため、認識としては「乙仲=フォワーダー」と理解していただくことが適切となります。

フォワーダーと乙仲の関連性

それでは具体的にフォワーダーと乙仲の関連性を解説します。かつての乙仲と現行のフォワーダーは、その業務内容においてほぼ等しいと言えます。つまり、荷主からの貨物を預かり、海上や陸上、航空等の運送手段に乗せる役割を担っています。

どちらも貨物の運送を中心とする業務を担うことから、混同されることも少なくありません。しかし、現代では法律的な枠組みの中ではフォワーダーが認められています。

フォワーダーと乙仲の法律的な位置づけ

かつて乙仲とされていた業者が、現在では全てフォワーダーとして登録されています。これは、フォワーダーとしての登録が必要となるためです。強調したいのは、現在では法律上乙仲という名称はその業態としては存在しないという事実です。

フォワーダーと乙仲の選択ポイント

フォワーダーを選ぶ際のポイントとして、現地法人・海外代理店の有無、海外拠点に日本人スタッフがいるか、船会社とのネットワーク、規格外貨物の取り扱い能力などが考慮されます。

これらのポイントを確認し、自社のビジネスに合った最適なフォワーダーを選択することが重要です。一概に大きな会社がいいとは限らず、自社の取引先や商品に合ったフォワーダーを選ぶことが、スムーズな物流を生むカギとなります。

フォワーダーと通関業者の違い

通関業者とは?

通関業者というと、一般的には税関から営業許可を得て、輸出入者の代理人として、通関業務を代行する業者を指します。具体的な業務内容としては、輸出入の通関申告、関税計算、各種証明書類の作成などが含まれます。通関業者の最大の役割は、スムーズな貨物輸送を可能にするための細かな手続きを代行することにあります。

通関業者がこれらの業務を全般的にカバーすることで、荷主や輸出入者は輸出入に必要な手続きの煩雑さから解放され、本来のビジネスに専念できます。それらの業務の中で、特に難易度が高いのが関税計算です。ここでのミスは大きな損失をもたらすため、正確さが求められます。

そのため、通関業者は貿易や通関に関する知識だけでなく、税務に精通していることが求められます。特に、各国の通関手続きや税率、関税制度は複雑で継続的に変わるため、それを把握した上で手続きを行う専門性が不可欠です。

フォワーダーと通関業者の業務内容の違い

フォワーダー(運送業者)と通関業者は、具体的な業務内容に大きな違いがあります。フォワーダーは、荷主から貨物を預かり、他の事業者の運送手段を使って貨物の運送を行う業者です。彼らは関税手続きや関税計算などの具体的な通関業務は行いません。

一方で、通関業者は関税の計算や通関の申告など、貨物が国境を越える際に必要となる手続き全体を担当します。彼らは通関業務の専門家として、適正な関税の計算や適切な申告、そしてそれに伴う文書作成を全般的に行います。

つまり、フォワーダーは貨物の物的流れを管理し、通関業者はそれに伴う手続きを管理する、という役割分担があります。この二つの違いを理解することは、海外ビジネスにおける輸出入業務を円滑に進めるために重要となります。

フォワーダーと通関業者が目指す目標

フォワーダーと通関業者が目指す目標にも違いが見られます。フォワーダーは、顧客が貨物を確実に、かつスムーズに運送することが主要な目標となります。そのために、船舶や飛行機などのスケジュール管理や、貨物の追跡、補償対策などを行います。

一方で、通関業者の目指す目標は、顧客の輸出入業務が法令を遵守し、かつ効率的に進行することです。そのため、関税計算や各種申告、関税対策などの専門性が求められます。これらのことからもわかるように、フォワーダーと通関業者は貿易業務を効率的に行うために、それぞれ異なる役割と責任を果たします。

フォワーダーと通関業者の選択ポイント

双方の業者を選ぶ際のポイントとしては、まず業界経験と知名度が挙げられます。実績がある業者は、各種問題に対する対応力や、より良いサービスを提供するためのアイデアを持っている可能性が高いです。

さらに、フォワーダーを選ぶ際は、その業者が持つ輸送ネットワークの広さや、顧客のニーズに応じたフレキシビリティ、そして顧客サポートの質も見逃せません。一方で、通関業者を選ぶ際は、その業者の通関手続きのスピードやコンプライアンスへの取り組みを確認することが重要となります。

それぞれの業者を選ぶ際には、具体的な業務内容やそれぞれの目指す目標を理解した上で選ぶこと、そしてその業者が自社の要望に対して適切に対応できるかを確認することが重要です。

フォワーダーの選び方

フォワーダーを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。ここでは、特に現地法人・海外代理店の有無、海外拠点に日本人スタッフがいるか、船会社とのネットワーク、規格外貨物の取り扱い能力といった点を詳しく見ていきましょう。

現地法人・海外代理店の有無

取引先となる企業が海外に存在する場合、現地での業務遂行能力が重要となります。現地法人や海外代理店を持つフォワーダーは、時間差や言語の問題をクリアでき、効率的な物流を実現することが可能です。また、現地の法律や規制に詳しいことで、問題を未然に防ぐことも可能です。

海外拠点に日本人スタッフがいるか

同様に、海外拠点に日本人スタッフがいるかどうかも重要な考慮ポイントです。日本人スタッフがいると、コミュニケーションがスムーズに行え、誤解やミスの可能性を減らすことができます。特に細かなニーズを持つ企業にとっては、日本人スタッフの存在は非常に重要です。

船会社とのネットワーク

フォワーダーと船会社とのネットワークは、輸送コストやスケジュールに直結します。良好な関係を築いているフォワーダーは、より低コスト、迅速な物流を実現することが可能です。

規格外貨物の取り扱い能力

通常よりもサイズが大きい、あるいは特殊な形状を持つ貨物を扱う必要がある場合、それに対応できる能力を持つフォワーダーを選ぶことが重要です。規格外貨物の取り扱いには専門的な知識と経験が求められるため、その点を確認することが必要です。

フォワーダー業界の今後の展望

フィールドにおける国際的なトレンドや挑戦、そして進行中のデジタルトランスフォーメーションにどのように対応していくかがフォワーダー業界の今後の展望を左右します。新型コロナウイルスの拡大により、思わぬ困難に直面する一方、その中から新たなチャンスを見いだす企業も存在しています。

物流業界全体のトレンドとその影響

あらゆる業界がグローバル化する中で、物流業界も例外ではありません。ECの拡大では、物量の増加や納期厳守が求められます。また、リーディングエッジの物流システムを実装した企業は競争力を維持向上させる一方で、遅れを取った企業は厳しい局面に立たされています。

次に、環境問題に対する意識の高まりも無視できません。CO2排出量削減やリサイクル、持続可能なビジネスモデルの探求が求められています。これらのトレンドを取り込んだフォワーダーが、今後の物流業界をリードするでしょう。

フォワーダーが直面する課題と可能性

フォワーダーが直面する課題は数多く存在します。その中でも人手不足は深刻な問題で、高齢化が進む中で若い労働力を確保するのは難しく、これがサービス品質を下げる可能性があります。

また、コスト増も避けられません。価格競争が激しくなる中で、適切なコスト削減や経済性の向上が求められます。しかし、そこにはチャンスも存在しています。生産性向上や新サービスの開発、既存の働き方の見直しを通じて、競争力を維持向上させることが可能です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とフォワーダー業界

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、物流業界を含むあらゆる業界に影響を与えています。情報化・自動化・AI活用など、DXは業務効率の向上や新たなサービス開発を可能にし、フォワーダー業界でも多大な影響をもたらしています。

しかし、しっかりとしたPDCAサイクルを回し、未来の予測を組み込んだ戦略が必要です。また、システム開発や導入に伴う費用・人員・時間などの課題を解決し、適切な対策を打つことが重要となります。

新型コロナウイルスがもたらす影響と対策

新型コロナウイルスは、物流業界に大きな影響を及ぼしました。供給網の混乱、人員配置への影響、需要の増減などが起こり、ビジネスの全体像を塗り替えました。

しかしこの状況は、新たなビジネスチャンスをもたらすかもしれません。在宅ワークの増加に伴う物流ニーズの増大、急速なEC化の進展に対応した新サービス開発など、様々な方式でこの困難な状況に対応しています。これらはコロナ禍後の新たなビジネスモデルにつながる可能性を秘めています。

大手フォワーダーの紹介

ここでは、国内外で活躍している大手フォワーダーを紹介します。これらの企業の中には、国内外に幅広いネットワークを持つ会社から特定の領域に特化した企業まで、様々な特性を持つ会社が存在します。また、それぞれの会社によって特色や強みが異なるため、自社のニーズに合わせて適切なフォワーダーを選択することが重要です。

フォワーダー主要企業ランキング

最初に、主要企業のランキングを紹介します。ランキングは、売上高、取引量、シェアなどを考慮して作られています。このランキングを参考にすることで、どの企業が業界のトップに君臨しているか、またそれぞれの会社が何に強みを持っているのかがわかるでしょう。

各フォワーダー特徴と強み

次に、主要なフォワーダーそれぞれの特徴と強みを見ていきましょう。特徴と強みは、指定のサービス領域、グローバル展開、取り扱い品目、品質管理体制、カスタマーサービスなどを基に評価されます。また、それぞれの企業がどのような戦略でビジネスを展開しているのかを理解し、それが自社のニーズと合致しているかを確認することが重要です。

各フォワーダーの取り組み事例

さらに、それぞれのフォワーダーがどのような取り組みを実施しているのかの事例も紹介します。具体的な事例を通して、各企業の戦略や対応力をより深く理解し、選択の参考にすることができます。

各フォワーダー選定のポイント

最後に、フォワーダー選定のポイントをお伝えします。現地法人・海外代理店の有無海外拠点に日本人スタッフがいるか船会社とのネットワーク具合規格外貨物の取り扱い能力など、自社のニーズに合ったフォワーダーを選ぶための重要なチェックポイントとなります。理想的には、自社のビジネスにフィットする企業を見つけるために、複数のフォワーダーと接触し、サービス内容や価格などを比較検討することがおすすめです。

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