3PLとは?要素を分解して特徴や活用方法・事例をわかりやすく紹介

POINT!ここがポイント
  • 3PLとは物流業務を荷主や運輸会社以外の第三者に外部委託するサービスのこと
  • 3PLの市場規模は拡大していて、2020年度には約3.3兆円に達している
  • 3PLを活用することで利益拡大や人手不足や労働環境の改善などの効果が見込める

新型コロナウイルスの影響で在宅時間が増え、それに伴い通販サイトの利用者も増えたことで、物流業界の市場は拡大しています。

そこで今注目されているのが、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)という荷主の物流業務を外部委託するサービスです。

本記事では、3PLとは何か、3PLの活用方法と活用事例について、わかりやすく説明します。 ぜひ最後までお読みいただき、今後の3PL導入などの参考にしてください。

3PLとは?

3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは、荷主の物流業務を荷主や運輸会社以外の第三者(3PL事業者)に一括して外部委託するサービスのことです。

物流業務には、具体的に以下の4つがあります。

  • 調達物流
  • 工場内物流
  • 販売物流
  • 静脈物流

これらのさまざまな物流業務を専門知識と経験豊富な3PL事業者が行うことで、荷主が抱える人員や運送時間などの物流コストが削減可能です。

また、倉庫のスペースや車両が余っている運送会社が効率的に業務行うことができ、ビジネスの循環が良くなります。

※調達物流:各会社からの荷物を一ヵ所に集めて、まとめて1台のトラックで一括配送することでコスト削減や作業効率アップを実現すること

※工場内物流:工場の敷地内で行われる物流作業のことで、製造業の場合は倉庫から製造現場、ある工程から別の工程に移動しながら製品が作られること

※販売物流:倉庫から卸売業者、小売業者、消費者に届ける流れのこと

※静脈物流:消費者から返品や回収を行った際に企業へと運ばれること

3PLの要素 1.倉庫の活用

高度で効率的な物流システムである3PL事業を展開するには、ハードウェア、ソフトウェア、ヒューマンウェアの3つの要素が必要です。

まずは、ハードウェア(物理的な設備・資産)にあたる倉庫の活用について解説します。

特徴:倉庫拠点を確保

3PLの特徴の1つ目は、倉庫拠点を確保することです。

適正な在庫管理をするためには倉庫の確保は必須ですが、倉庫の果たす役割は、物資を管理し保管する以外にもたくさんあります。

倉庫拠点を確保することで、荷主の販売拡大を支援する情報システム(受発注、貨物トレースなど)や流通加工機能(検品、梱包、配送仕分けなど)など幅広い物流機能の提供が可能です。

これらの機能を複数組み合わせて物流全体をコントロールするために、全国や世界中に倉庫拠点を確保することは3PLにとって重要です。

活用方法:物資を保管・管理

上述のとおり、3PLの倉庫では、物資を保管、管理し、さらに情報システムや流通加工機能などの幅広い物流機能を提供しています。

具体的には、倉庫の空きスペースを共同で活用したり、倉庫を短期間のみ貸し出したりすることで、荷主のニーズに柔軟に対応可能です。

ほかにも、膨大な数のEC商品を短期間で方面別の仕分けや、大量の製品サンプルの保管、梱包、配送など倉庫拠点の有効活用で業務の幅は大きく広がります。

例えば、アパレル関係であれば、数量・品質検品、値札・ブランドタグ付け、バーコードラベル貼りなどの作業が倉庫でできます。

その結果、出荷指示から店舗配送までの時間が短縮され、荷主の利益拡大に貢献できるでしょう。

3PLの要素2.運輸の効率化

3PL事業の3つの要素のうち、ここではソフトウェア(在庫管理システムなど)にあたる運輸作業の効率化について解説します。

ソフトウェアには、多様な物流ニーズに対応するために、経験値とノウハウが結集されています。

特徴:繁忙期の運輸作業を効率化

運輸作業を効率的に行うには、4つのポイントがあります。

1つ目は、物流拠点や輸送網を集約して手際よく配送することです。

拠点の賃料や人件費はかかりますが、複数拠点があれば配送先への移動は便利です。

2つ目は、現場での作業の見直しです。

無駄をなくすことで、少ない人件費で作業の効率化を図れます。

3つ目は、共同輸配送です。

1つのトラックで複数の会社の荷物を届けることで、時間と負担を軽減できます。

4つ目は、IT技術システムの導入です。

IT技術システムを導入することで、物流業務全体の手間やコストの削減ができます。

活用方法:運輸作業で効率的かつ迅速に対応

効率的かつ迅速に対応するためには、倉庫管理システム(WMS)などのIT技術の活用は欠かせません。

WMSとは、在庫管理や入荷管理、出荷管理などを一元管理し、在庫状況や作業の見える化を進め業務の効率化を実現する仕組みです。

さらに、人の手で行う作業をシステム化し、ハンディやプリンターとも情報連携した検品や帳票出力をすることで、品質改善や生産性の向上、業務の迅速化にも寄与します。

輸配送管理システムと連携させれば、ドライバーの不足問題や労働環境の改善にも効果が見込めます。

IT技術の導入には、オンプレミス型、クラウド型、パッケージ型の3パターンがあるため、導入する際にはどのような形がベストなのか、検討が必要です。

※オンプレミス型:社内にサーバー、通信回線、システムを構築することで自社にてシステムを開発と運用をする仕組み

3PLの要素3. 人材の確保

3PL事業の3つの要素のうち、ここではヒューマンウェアにあたる人材の確保について解説します。

ヒューマンウェアは、導入したシステムを実際に運用する人材の確保や教育、物流現場体制の構築に必要不可欠です。

特徴:コストの分析をして最適化

ヒューマンウェアの特徴は、物流にかかるコストの分析をして最適化することです。

荷主の物流を最適化することが3PLの目的で、そのために倉庫やIT技術を活用しますが、その方法を提案するには豊富な経験とノウハウ、スキルが求められます。

どんなに最新のシステムを導入しても、実際に運用する人材がいなければ最適な物流現場体制は構築できません。

倉庫の維持費用や人件費、ヒューマンエラーの発生によるコストなどの物流コストを可視化し、運用の見直しをすることで最適化の提案をすることがヒューマンウェアに求められています。

活用方法:専任スタッフに任せて本業に集中

物流ネットワークの設計、カスタマーサービス窓口の代行など、様々な業務を3PLの専任スタッフに任せることで、物流関連のやり取りが少なくなり、荷主は本業に集中できます。

連絡、交渉、契約などの事務処理が減るため、本業に集中することで事務効率も改善するでしょう。

また、物流業務を専任スタッフに任せられれば、荷主の人材はより基板事業に専念できるため、荷主全体のコストを低減することにもつながります。

さらに、専任スタッフを活用すれば、コストを変えずに売上を上げる、売上を変えずにコストを削減する、売上を上げコストを削減する、といったことも期待できます。

本業に集中できるということは、荷主にとって大変大きなメリットです。

3PLの動向や市場データについて

3PLの市場規模は拡大していて、2020年度には約3.3兆円に達しています。

新型コロナウイルスの影響もあり、EC市場の拡大から多頻度小口輸送が求められていますが、ドライバーの人手不足は深刻化しているのが現状です。

そこで、これまでの物流品質の維持や向上と、ドライバーの確保や労働条件の改善を課題として、3PL事業者に物流関連の業務を外部委託することが増えています。

また、物流関連業務を外部委託することで、荷主は本業に専念でき、利益拡大につながることからも、今後も3PLの市場は拡大していくと予想され、注目されています。

3PLの事例

市場が拡大し続けている3PLについて、4つの事例をご紹介します。

どの事例でも、3PLに欠かせないハードウェア、ソフトウェア、ヒューマンウェアの3つの要素を軸として、荷主の課題解決に取り組んでいます。

日立物流

日立物流は、1980年代から3PL事業を手掛け、国内外で物流網を構築し、グローバル3PLにも対応している老舗企業です。

また、これまでに蓄積された豊富な経験を基にした、IT技術を有効活用したデータ分析による提案力も強みの1つです。

調達から製造、配送、販売までの流れを検証するスマートロジスティクスコンテナを活用した提案や、無人搬送車の導入など、スマートロジスティクス技術の推進も積極的に行っています。

※スマートロジスティックス:物流管理を統合・一元化した上に、さらに効率を上げるためにloTやAIなどの最新技術を導入すること

富士物流

富士物流では、ニーズに合わせた提案はもちろん、ニーズに合わせてカスタマイズできる倉庫管理システム(WMS)などが、それぞれの分野のエキスパートによって提供されています。

国内では、共同配送によるコスト削減や、多頻度、時間指定など、幅広い運送サービスに対応しています。

海外の拠点でも、国内と同レベルのサービス品質を維持していて、国内外のネットワークを活かした国際複合一貫輸送などにより、最適な物流の提案が可能です。

※共同配送:複数の物流企業が1つのトラックやコンテナに同じ届け先の物を入れることでまとめて配送すること

SBSロジコム

SBSロジコムでは、メーカー、小売業、ネット通販会社など、多種多様な企業へ3PLサービスを提供しています。

受託している業務内容は企業により異なり、国際一貫輸送から物流センターの運営、国内の店舗配送などさまざまです。

在庫状況や出荷情報をリアルタイムでわかるようになり、本来の物流業務とは違うサービス領域でも協力物流会社の機能を有効活用した柔軟な対応が可能です。

これにより、長期的なサービス提供を目指しています。

日本通運

日本通運では、3PLに必要な倉庫管理システムなどの情報システムを自社で開発し、荷役企業との情報共有や現場運営の効率化を進めつつ、業態に合ったシステムを構築しています。

また、国内外の陸海空路の輸送手段や倉庫など、豊富な物流インフラを持っていることも大きな強みです。

さらに、受発注処理や決済処理の代行、通関はもちろん、輸出入に関する運送や保管なども一貫して対応し、柔軟なサービスを提供できることも特長です。

まとめ

近年市場が拡大している3PLは、物流業務を外部委託することで荷主のコスト削減や利益拡大に貢献するサービスです。

ハードウェア、ソフトウェア、ヒューマンウェアの3つの要素を活用し、ドライバーの人手不足や労働環境の改善など、荷主の利益以外にも影響を与えます。 3PL市場は今後も発展が続いていくことでしょう。

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