ホワイト物流とは?求められている理由3選と実施するためにできること9選を紹介

物流業界では深刻な人材不足と非効率な業務により、従業員の負担が増えています。

若手人材の確保ができずに高齢化が進むと、需要に対する供給が間に合いません。

そこで本記事では、生産性の向上や業務の効率化を実現するホワイト物流について解説します。

ホワイト物流の推進ができるように、企業ができることも解説するので参考にしてみてください。

POINT!ここがポイント
  • ホワイト物流とはトラック輸送の生産性を向上・効率化・働きやすい労働環境の実現をする取り組み
  • 人材不足やコスト削減などの課題解決のためにホワイト物流推進運動を実施
  • ホワイト物流でシステムの導入や配送の工夫で課題を解決

ホワイト物流とは?

ホワイト物流とは、トラック輸送の生産性を向上・効率化して、働きやすい労働環境を実現する取り組みです。

業界の商慣行や業務プロセスなどの見直しにより、生産性の向上が期待できます。

現在の物流業界はトラックドライバーの人員不足が深刻化していて、働きやすい労働環境が求められている時代です。

そのため、安定的な供給ができるようにホワイト物流推進運動が普及しています。

ホワイト物流推進運動が広がれば、高齢化で人員が減少するリスクが軽減しやすいです。

女性や60歳以上の運転手など、働きやすい労働環境を提供できます。

ホワイト物流推進運動が求められている理由3選

ホワイト物流推進運動は、国土交通省・経済産業省・農林水産省が協力して改善を図っています。

荷主企業と物流事業者が協力することで、安定的な物流における事業活動の確保が可能です。

どのような背景があってホワイト物流推進運動が求められているのか、理由を確認していきましょう。

1.人材が不足しているから

人材が不足している背景により、ホワイト物流推進運動が求められています。

トラック運転手のピーク時は平成7年で約98万人もいましたが、平成27年では約76万人にまで減少しました。

トラック運転手の平均年齢は、中小型トラックの運転手で45.8歳、大型トラックの運転手で47.8歳というデータも発表されています。

今後は定年を迎えて離職をする人が多くなるため、少ない人員でも物流事業ができる体制が必要不可欠です。

平成30年12月時点の有効求人倍率は3.03倍になっていて、積極的な採用活動を行っています。

予定通りに配送できないとスケジュール通りに配送できないため、早急な人材確保が必要です。

2.調達にかかるコストが上昇しているから

商品が注文主に届くまでのコストが上昇している傾向にあります。

物流にかかるコストは、主に以下の5つです。

  • 輸送費(運送費)
  • 荷役費
  • 保管費
  • 管理費
  • 人件費

例えば輸送費では、トラックの配送費やガソリン代などが挙げられます。

コストの削減を図ることで売上が下がらずに済むので、企業が抱える大きな課題です。

そのため、ホワイト物流推進運動により、トラック輸送の効率化が求められています。

少ない荷物を何度も倉庫を往復して運ぶのではなく、一度の輸送で多くの荷物を運べれば効率的です。

他にも管理費の削減のために物流システムを導入すれば、少ない人員でも生産性の向上が見込めます。

人為的なミスも防げて、出荷までがスムーズになるでしょう。

3.適切な労働環境が整っていないから

トラック運転手の労働環境は、まだまだ整っていない課題があります。

平成29年度賃金構造基本統計調査によると、トラック運転手の労働時間は全産業平均より約2割長いです。

全産業平均は2,136時間ですが、中小型トラックが2,592時間、大型トラックが2,604時間という差があります。

約450時間以上の差があるため、労働環境を改善する余地は十分にあるでしょう。

年間賃金は全産業平均より約1〜2割低く、大きな差が生まれています。

全産業平均が492万円に対して、中小型トラックが425万円、大型トラックが454万円です。

中小型トラックで77万円の差、大型トラックで38万円の差があるため、少ない労働時間で効率的に売り上げに貢献できる体制が必要になります。

EC市場規模の拡大と翌日配送等といった高品質なサービスの提供により、1人の従業員に対する負担が大きいです。

労働時間と年間賃金を見直し、適切な労働環境を整える必要があります。

ホワイト物流のためにできること9選

ホワイト物流を実現するために、企業は労働環境の改善に向けた対応が必要です。

初期コストがかかる改善策もありますが、長期的に考えると従業員一人当たりの負担が軽減できます。

どのような内容なのか、詳しく見ていきましょう。

1.予約受付システムを導入して活用する

予約受付システムを導入すれば、長時間の無駄な荷待ちを防げます。

トラックドライバーは早い順番に並ぶ場合があり、先のドライバーが荷積み・荷卸しが終わるまで順番に待っているケースが多いです。

物流施設でのスペースが限られているため、結果的に長時間の荷待ちが発生する流れになっています。

そこで予約受付システムを導入すると、トラックドライバーは提示された予約可能時間枠から到着時刻の選択が可能です。

物流施設の作業者は予約状況をディスプレイで確認して、到着時刻まで荷物を出す準備をします。

後は予約時刻にトラックドライバーが到着するので、荷積みをして迅速な出荷ができるという仕組みです。

2.手作業からパレットとフォークリフトの活用に切り替える

手作業で荷積みする企業が多いですが、パレットとフォークリフトを活用した方が効率的です。

例えばバラ積みをすると着荷主側の積載効率が低下して、時間と人員のコストがかかります。

そこで平パレットやロールボックスパレットで荷揃えすると、輸送がスムーズです。

時間の短縮化をすれば、長時間働くドライバーの休息時間を確保できたり、適切な拘束時間で仕事が早く終わったりできます。

導入する際はパレットやフォークリフトにかかるコストや、管理社間の費用分担を検討しておきましょう。

※パレット:荷役台
※フォークリフト:荷物を持ち上げる荷役自動車

3.荷主企業と物流事業者とのコミュニケーションを密に取る

荷主企業と物流事業者とのコミュニケーションを密に取ることで、効率性のある最適な運行ができます。

情報を共有するとトラックドライバーは荷造り等の準備ができて、着荷主は事前に仕分けラベル等の準備ができて効率的です。

一元化したデータを活用すれば、輸送時の入庫検品予約がスムーズになります。

リアルタイムの情報共有ができて、出荷情報をもとに配車の割り付けが可能です。

1つの物流施設のみでは完結しないため、荷主企業と物流事業者とのコミュニケーションが欠かせません。

4.引継ぎをして拘束時間を減らす

物流拠点まで運んで引継ぎを任せれば、ドライバーの拘束時間を減らせます。

例えば集荷してから配達までに約20時間かかると、ドライバーの負担が大きいです。

しかし、中間距離に引継ぎできる物流拠点があれば、ドライバーの拘束時間は約10時間で済むでしょう。

物流拠点がインターチェンジなどの近くにあれば、荷物の集荷がしやすくなり、幅広いエリアへと配送ができます。

企業によっては巡回集荷を外部に委託することが多く、自社のドライバーが休息できる時間を確保しています。

5.集荷先を集約するストックポイントを活用する

集荷先を1つに集約しておくと、荷待ち時間や荷役時間が短くなってドライバーの拘束時間を短縮できます。

従来の輸送は1つの工場で1つの築倉庫まで運び、1台のトラックで配送先を回る仕組みでした。

そのため、配送先によって到着時間が異なり、スムーズな配送ができなかった事例があります。

しかし、複数の工場で1つの築倉庫まで運び、その後複数のトラックが集まるターミナルを設ければ配送先を待たせる心配がありません。

「配送が早ければすぐに品出しができて売り上げが増えたかもしれない」という店舗の課題を解決できます。

※ターミナル:荷主が積んできた貨物を集荷する施設

6.作業を分離する

物流業界ではドライバーの作業範囲が広く、負担が大きい課題がありました。

積込作業をするのはドライバーの役割となっていて、運転以外の拘束時間と体力の消耗に負荷がかかって安全性の担保がありませんでした。

しかし、専門の積込作業員を配置することで、ドライバーの負担を軽減できた事例があります。

システムで到着時間を把握して、事前に配送先別に仕分けをすると作業がスムーズです。

トラックドライバーの拘束時間を短縮するために、作業の分離化が注目されています。

7.出荷に合わせて生産や荷造りを間に合わせる

出荷に合わせた生産体制があれば、ピッキング作業が減少して積み込みにかかる時間を減少できます。

生産体制が整っていないと、貨物の荷揃いが間に合わなくてドライバーを待たせてしまう事態がありました。

しかし、いつ・何を運ぶのかがわかれば、優先順位ができて出荷に合わせられます。

荷主は製品在庫削減によるキャッシュフローの改善ができたり、在庫管理費用を削減できたりするため得られるメリットが大きいです。

8.出荷時刻を調整する

出荷時刻が不規則になると、荷待ち時間が発生したり、十分な休息が取れなくなったりします。

どちらも作業効率が悪くなり、最悪の場合は事故を起こしてしまう原因になりかねません。

そのため、着荷主に協力してもらい、十分なリードタイムを確保する必要があります。

翌日配送などといったEC市場の都合もありますが、従業員の作業効率を重視する方が優先です。

※リードタイム:商品の発注から納品までの期間

9.繁忙期や閑散期に対応できるように外注に任せる

繁忙期と閑散期の差があると、荷待ちや積載率などに問題が生じて、生産性・効率性が悪くなります。

そのためには出荷量を平準化させて、生産体制の見直しをするのが重要です。

しかし、荷物量が多いため、外注すれば現状の課題を解決できる場合があるでしょう。

そこで「ロジパレ」を利用すれば、繁忙期と閑散期で仕事量の差が生じても、物流ニーズをマッチングして効率的な配送ができます。

仕事を依頼したい荷主企業は、繁忙期になると大量の荷物を抱えて、人員不足や納期の課題に追われることが多いです。

ロジパレは仕事を受けられる配送事業者を見つけ出し、イレギュラーな対応でも状況に応じてカバーできます。

例えば倉庫のスペースや車両が余っている場合、ロジパレで依頼をして抱えている荷物の配送依頼が可能です。

まとめ

ホワイト物流は、人員不足と働きにくい労働環境を改善するための重要な取り組みです。

深刻な物流業界の課題を解決するために、政府がホワイト物流推進運動への賛同表明を求めています。

企業はドライバーの作業時間を短縮して、効率的な業務ができるような労働環境を提供しなければなりません。

ロジパレを利用すると、物流ニーズのマッチングによって労働環境を大幅に変えられます。

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