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スリップシートは、パレットの代わりに使われる薄いシート状の物流資材です。
海外輸送や大量出荷の現場では一般的ですが、国内物流ではまだ馴染みが薄いかもしれません。
ただ、コスト削減や積載効率の改善といった面で注目される場面も出てきています。
本記事では、スリップシートの基本構造から使われる理由、導入時の注意点までを整理し、実務に役立つ視点で解説します。
- スリップシートは、パレットの代替として荷物の下に敷く薄型の物流資材
- パレットと比べて高さや重量を抑えられる一方、専用設備が前提となる
- 主に海外輸送や大量出荷の現場で、積載効率やコスト削減を目的に採用される
スリップシートとは?
スリップシートとは、数ミリから十数ミリ程度の厚みを持ち、簡単にはたわまない強度を備えた紙製または樹脂製のシート状資材です。荷物の下に敷き、段ボールケースなどをまとめた状態で扱うための土台として使われます。
見た目は紙や樹脂の板に近い形状ですが、荷役を前提とした強度が確保されています。
パレットのようにフォークリフトの爪を差し込む隙間はなく、専用アタッチメントでシート先端をつかみ、荷物ごと引き出して移動させる点が特徴です。
スリップシートとパレットとの違い

最大の違いは「構造」と「使い方」にあります。パレットは荷物を載せて持ち上げるための台ですが、スリップシートは荷物の下に敷き、パレットのようにフォークリフトの爪を差し込む隙間はなく、フォークリフトに取り付ける専用装置(プッシュプルアタッチメント)でシート先端をつかみ、荷物ごと引き出して移動させます。
スリップシートは高さと重量がほとんど増えないため、積載効率を高めやすい点が特徴です。
一方、扱える設備や作業環境が限られるため、どの現場でも使えるわけではありません。
スリップシートの構造
スリップシートは、パレットのように自立する台ではなく、荷役動作を前提に設計された資材です。形状や使われ方を理解しておくと、パレットとの違いがはっきりします。
フラップ部分の役割
スリップシートの先端には、「フラップ」と呼ばれる折り返し部分が付いています。このフラップをフォークリフトに取り付けたプッシュプルアタッチメントでつかみ、荷物を引き出します。
フラップは単なる持ち手ではなく、荷重が集中する重要な部分です。長さや強度が不足すると、作業中に破れやすくなります。
荷役時の動きと特徴
パレットのように持ち上げるのではなく、荷物を「引く」「押す」動きが基本になります。そのため、床面の状態や荷物の積み方が作業性に影響します。
荷役方法を理解せずに扱うと、荷物を引きずって破損させる恐れがあるため、事前の作業教育が欠かせません。
スリップシートの種類

スリップシートには複数の種類があり、使用環境や運用方法によって使い分けられています。代表的なのが、紙製と樹脂製です。
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紙製スリップシート:
紙製はコストを抑えやすく、使い切り前提の輸送に向いています。 海外向け輸送やワンウェイ配送では、回収や返却を考えずに済む点が評価されています。 一方で、水分には弱く、湿気の多い環境では注意が必要です。
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樹脂製スリップシート:
樹脂製は耐久性が高く、繰り返し使用できる点が特徴です。 水濡れや汚れに強いため、冷蔵・冷凍倉庫や構内物流などでも使われます。 初期コストは高めですが、長期的な運用では選択肢に入るケースもあります。
スリップシートが導入される理由
パレット使用が一般的な物流現場においても、用途や条件によってはスリップシートが採用されます。その理由を整理して見ていきましょう。
コスト面でのメリット
スリップシートを使う最大の理由は、パレットコストを抑えられる点です。
購入費だけでなく、保管や回収、修理といった管理負担も減らせます。
特に海外向け輸送では、返却不要で完結する点が評価されています。
国内物流においても、パレットの保管スペース削減や管理工数の軽減につながるため、条件次第では有効な選択肢となります。
全工程で使うのではなく、特定の輸送レーンや出荷形態に限定して導入されるケースも見られます。
積載効率と環境配慮
パレット分の高さがなくなるため、トラックやコンテナ内の空間を有効に使えます。
その結果、積載量が増え、輸送回数の削減につながります。
輸送効率の改善は、環境負荷を抑える取り組みとも相性が良い考え方です。
国内輸送でも、車両サイズや積載制限の中でより多くの荷物を載せられる点は現場にとって魅力です。
限られた車両台数で出荷量を確保したい場面では、効率向上の一手として検討されます。
導入時に押さえておきたい注意点
スリップシートの導入を検討するときに、注意しておきたい点もあります。
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専用設備が前提になる:
スリップシートを扱うには、プッシュプルアタッチメント付きのフォークリフトが必要です。 通常の爪だけでは作業できません。 倉庫や荷受け先が対応していない場合、運用が成り立たない点には注意が必要です。
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作業習熟と安全面:
作業方法がパレット輸送と異なるため、現場教育は欠かせません。 引き出し方を誤ると、荷物を引きずったり、荷崩れを起こしたりする恐れがあります。 導入初期は、試験運用を行いながら手順を固めるケースが多く見られます。
まとめ
スリップシートは、パレットに代わる物流資材として、コストや積載効率の面で強みを持っています。その反面、専用設備や作業習熟が前提となるため、導入には見極めが必要です。
物流フローや取引先の対応状況を踏まえ、自社に合った使い方を検討することが、スムーズな活用につながります。
スリップシートに関するよくある質問とその答え
Q1. スリップシートはどんな荷物に向いていますか?
段ボールケースを均一に積み上げた荷物に向いています。形状が不安定な製品では扱いづらくなります。
Q2. パレットと併用することは可能ですか?
可能です。出荷時はスリップシート、保管時はパレットと使い分ける運用も行われています。
Q3. 国内輸送でも導入する価値はありますか?
条件次第ではありますが、積載効率や環境面を重視する場合、検討する余地はあります。限定的な導入から始める企業も少なくありません。



