物流現場取材シリーズ①
大賀運輸様
「仕事ありませんか」と経験豊富なドライバーが集まる投資・採用・育成の好循環とは

左から株式会社ロジテックの川村、大賀運輸株式会社の福榮様

1973年に東京都世田谷区で創業した大賀運輸株式会社は、高品質な輸送業務を心がけ、大手宅配会社の下請けとして事業を成長させてきました。経験豊富なドライバーを多く抱えています。

今回は、営業を担当し、世田谷営業所と川崎事業所の所長も務めている統括本部課長の福榮様にお時間をいただき、株式会社ロジテック代表取締役の川村が聞き役となり、物流業界の課題と未来について対談した内容をご紹介します。

大賀運輸の成長を支える2つの強み

川村 御社はどのような取引様が多いのでしょうか。

川榮 主な取引先は大手宅配会社です。売上のほとんどを占めております。コロナ後は、いろいろな企業とお付き合いさせて頂く必要性も感じ、引っ越しなどの新しい仕事もお請けするようにしております。

川村 トラックは川崎事務所にあるのでしょうか。

川榮 いえ、ここ世田谷営業所にも7台あります。川崎事業所には27台で、その他あわせると合計49台のトラックを保有しています。

川村 世田谷区にもトラックをお持ちですか。

川榮 はい。スーパーの配送では籠での積み下ろしが主流になっているので、4tまではパワーゲート車両をメインにしています。長距離輸送には10t車で対応しています。世田谷区でこれだけの大型車を保有している輸送会社は少ないと思います。

川村 世田谷区でそれだけの規模のトラックを保有している御社はエンドユーザー様にとって貴重な存在だと思います。大賀運輸様の強みですね。

川榮 そのように評価していただけたら嬉しいです。

それからもう一つ、経験豊富なドライバーが多いことも弊社の強みではないかと考えております。ひとつの荷主さんをずっと担当しているドライバーは、新人ドライバーに比べて荷主さんからの信頼も厚いです。

川村 ドライバーは、運転をして荷物を運ぶだけが仕事ではないと思います。現場でのコミュニケーションも重要な仕事の一部です。高いコミュニケーションスキルを持つベテランのドライバーは頼りになりますよね。

川榮 そう思います。弊社のドライバーはお客様から新しい仕事をいただいてくることもあります。そうした信頼関係の強みが営業面でも生かされていると思います。

会社の成長する姿が経験豊富なドライバーを惹きつける

川村 ドライバーの採用と育成にはどの企業様も苦戦していて、諦めている会社もあります。給料や労働時間の問題で「経験豊富なドライバーを雇いたくても雇えないんだよ」という声をたくさん聞きます。どうして御社にはベテランのドライバーが集まってくるのでしょうか。

川榮 他社で働いていたドライバーが辞める時に弊社のドライバーへ「仕事ありませんか」と声をかけてくれることが多いです。理由は、弊社が新しいトラックをどんどん増やしていることを知っているからだと思います。大賀運輸は成長していて勢いのある会社だと認識してくれるんだと思います。

大賀運輸の川榮様

川村 近年、どれくらいトラックを増やされましたか。

川榮 8年前は大型車が3台しかありませんでしたが今は15台あります。4t車や2t車も購入していますので全部で20台弱は増えました。会社の成長している姿を見せられたことが良かったのかなと思います。

川村 紹介で入って来るドライバーさんは何名ほどいらっしゃるのでしょうか。

川榮 もちろん求人媒体がメインになりますが、それでも80名採用した中で16名くらいは紹介だと思います。約2割ですね。紹介で入ってくるドライバーさんは経験が豊富なだけでなく離職する確率が低いのも特徴です。

2024年問題で直面するドライバー不足への対応

川村 採用活動はされていますでしょうか。紹介だけでは足りないと思います。

川榮 もちろん、バイトルやタウンワークに求人広告を出しています。indeedにも無料で求人広告を出していますが、やはりプロに頼む方がいいですね。今のところは、1回の募集で1人を採用できれば御の字ですね。

川村 1人採用できるというのはいい方ですよ。全然採用できない運輸会社は多いですから。ところで、女性ドライバーは積極的に採用されていますか。

ロジテック代表取締役の川村

川榮 弊社にはすでに女性ドライバーが3人います。

川村 それは多いですね。大賀運輸さんの強みだと思います。その女性ドライバーをインフルエンサーにして採用活動をするのも一つの手かもしれません。例えば、女性が「大賀運輸はいい会社だよ」と言ってくれたら、もっと多くの女性が応募してくれると思います。

川榮 弊社は、休みたいと言われたら断らないですし、仕事を優しく教えるなど女性でも働きやすい環境づくりはできているかなと思っています。そこはアピールしたいですね。

時代に合わせた社内カルチャー

川村 紹介や採用活動でいいドライバーを雇えたとしても、育成環境や労働環境を整えなければ人材は生かされません。社内ではどんな取り組みをされていますか。

川榮 60時間以上の残業を50%削減できるように取り組みを強化しています。2024年問題への対応でもありますが、やはりドライバーにとって働きやすい環境を提供してあげたいという思いが強いです。

川村 残業時間削減の他にも意識している目標数値はありますか。

川榮 ドライバーの離職率を低くしたいとは思っています。今でも離職率は低い方だと思いますが、一人が辞めると仲のいいドライバーが何人も辞めてしまう事もありえます。いつまでも一緒に働いてもらえるように労働環境を整備することが私の役割だとも考えています。

川村 人材育成について意識していることは何でしょうか。

川榮 昔は「俺の背中を見て仕事を覚えろ」という時代だったと思いますが、今は優しく教えてあげなければいけません。私は誰からも仕事を教わったことがありませんから人に教えるのが下手なんです。ですから、教える事が得意な社員が社内に何人かいるので、その者たちに任せるようにしています。休みの日でも出社して新人に仕事を教えてくれるのでとても助かっています。

大賀運輸が築き上げた投資・採用・育成の好循環

川村 ここまで川榮様のお話を聞きますと、御社は「投資・採用・育成」が上手いサイクルで回っているように思います。

つまり、「自分も営業だ」という意識で走ってくれるドライバーがいる。だから売上も上がり、儲かるから設備投資でトラックを増やせる。そうすると会社の勢いに魅せられてベテランのドライバーが「仕事ありますか」と応募してくれる。新人に対しては社内で温かく育ててあげて、やがて戦力になる。

採用に苦慮している企業様にとって大賀運輸様の取り組みは大きな刺激になるのではないでしょうか。

川榮 ありがとうございます。荷物を届けるだけではなく、会社に貢献するという高い意識を持ったドライバーをこれからも育てていきたいと思います。

川村 最後に、物流業界が発展するために必要なことは何なのか、川榮さんのお考えをお聞かせいただけますか。

川榮 私たち中小企業が頑張らなければいけないと思います。そのためにも、大手企業と中小企業が主従関係ではなくフラットな関係であることが重要です。人手も車も足りないという危機的状況を乗り切るには、業界が一致団結することが大切ではないでしょうか。

川村 まったく同感です。物流業界は革新と進化が求められている時代になりました。私たちは伝統にとらわれず、新しいアイデアや技術を取り入れ、より効率的で持続可能な物流システムを築かなければなりません。大賀運輸様のような改革志向をもつ会社がどんどん増えればいいなと思います。 本日は貴重なお話をお聞かせいただき有難うございました。

社名:大賀運輸株式会社
住所:東京都世田谷区桜丘3-33-18
TEL:03-3425-0261
従業員数:65名(平成28年1月1日現在)
車両台数:49台
https://www.ogaunyu.com

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