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ようこそ「ジャパントラックショー2024」へ!2年に一度のこの祭典は、パシフィコ横浜で第4回目(2024年5月9日~11日)を迎え、今年も大きな注目を集めました。
物流業界が直面する「物流2024年問題」に挑む中、最新のトラック実車展示はもちろん、革新的な技術やソリューションが勢ぞろい。ドライバー不足解消に向けた業界の取り組みや、未来を見据えた新たな技術に触れる絶好のチャンスです。
今回も、忙しくて展示会を訪れることができなかった皆様のために厳選した出展社をここでご紹介いたします。トラック業界の未来を一緒に探りましょう。
ドラレコの映像と車の挙動を再現するシミュレーター体験
クラリオンライフサイクルソリューションズ株式会社は、バックカメラやサイドカメラ、人検知システムを含む総合的な車両管理システムを提供する企業です。今回の展示ブースでは、ドラレコの映像と車の挙動を再現するシミュレーターを体験させてくれました。このシミュレーターにより、運転者は自身の運転行動をリアルに体験し、安全運転の重要性を理解できます。
また、トラックショーでは新製品のAIドライブレコーダーを初公開。AI機能により、危険を検知してドライバーに警告を発するこの製品は、さらなる安全運転支援を目指しています。展示ブースでの体験を通じて、クラリオンライフサイクルソリューションズの革新的な技術と安全への取り組みが実感できました。
リコーだけの独自技術「オートボディープリンター」
リコーデジタルペインティング株式会社は、トラックに直接プリントする「オートボディープリンター」を展示しました。このプリンターはシールやメディア素材を使わず、インクジェットでボディーに直接印刷する革新的な技術を持っています。インクを横方向に飛ばす独自の技術は、世界でリコーだけのもの。この技術により、大きな面積に低コストでプリントが可能となり、広告効果を高めることができます。
さらに、「デザイントラック」というコンセプトで、トラックをユニフォームのようにデザインし、会社のPRや地域貢献を目指しています。リコーのオートボディープリンターは、トラックを動く広告塔として活用し、企業や地域のイメージアップに貢献する新たな手段を提供しています。
日野自動車の新星「Z FCV」!水素で走る未来のトラック
日野自動車株式会社の展示ブースでは、トヨタ自動車との共同開発による画期的な水素で動く燃料電池大型トラック「日野プロフィア Z FCV」が紹介されました。このトラックは、水素を利用して電気を発生させ、その電力で走行する環境に優しい車両です。排出されるのは水のみで、CO2排出ゼロを実現します。
さらに、小型EVトラック「日野デュトロ Z EV」も展示されました。見た目のコンパクトさと車両総重量が3.5トン未満であることが特徴です。これにより、免許取りたての方でも運転可能。また、床面の地上高が400ミリと低く、乗り降りがしやすい設計となっています。展示ブースでは、子どもたちにも大人気で、多くの来場者が試乗体験を楽しんでいました。
創業105年の信頼!革新の「モバイルコラムリフト」登場
創業105年の歴史を誇る安全自動車株式会社は、自動車整備に関わる商品や機械全般を取り扱っています。中でも注目の製品が「モバイルコラムリフト」です。このリフトは移動式で、平らな床であればどこでも車を持ち上げることが可能です。アスファルト以外のコンクリート面であれば設置が可能で、100ボルトで動作するため、従来の200ボルトリフトと比べて利便性が高いのが特徴です。最大で1700mmまで車を持ち上げることができ、オイル交換やバッテリーの取り外しなど、さまざまなメンテナンス作業が快適に行えます。
セノプロトラックスのユーロスタイルカスタムが熱い!若手が輝く職人集団
セノプロトラックスは、奈良県に拠点を置き、車両販売やカスタム架装を専門とする企業です。特にヨーロッパの部品を取り入れたユーロスタイルのカスタムを得意としています。ユーロスタイルとは、ドライバーの気分を高めるお洒落なデザインが特徴で、スタイリッシュなトラックがモチベーションアップに繋がります。
ブースでは、セノプロの初の活魚車が展示され、イギリスやオランダから輸入した部品を使用してカスタマイズされています。水槽技術を駆使しており、魚を積んで運ぶ際にも水温を調節できる優れた機能を持っています。
セノプロトラックスは、ユーロスタイルのカスタムトラックで業界をリードし、若手職人たちの情熱と技術力でさらに成長を続けることでしょう。
スタイリッシュな洗車機登場!業界を革新する「ロボ戦くん」
赤黒でスタイリッシュなブースが目を引く株式会社ヒラマツは、トラック用の大型車両洗車機の製造と販売を手掛けています。今回の展示会では、従来の洗車機を進化させた新コンセプト機が披露されました。この洗車機はリモコン操作で自由に動かせるため、設置場所を選ばずデッドスペースを作らないのが特徴です。洗車ブラシは非常にソフトで、車体に傷をつけることなく洗車できます。実際に触ってみると、その柔らかさに驚かされます。
この新コンセプト機が実際に市場に投入されるかは、展示会での反響次第。洗車機業界に新たな風を吹き込むこの革新的な製品に、今後の注目が集まります。
工業用メンテナンスの革命!洗浄力抜群のパーツ洗浄機
日本エヌ・シー・エイチ株式会社は、工業用のメンテナンス製品を専門に扱うメーカーで、主に洗浄剤や補修材などを取り揃えています。展示ブースでは、パーツ洗浄機が紹介されました。この洗浄機は、簡単操作でどなたでも使用可能なシンプルな設計です。
実演では、ベアリングのような汚れた部品を実際に洗浄し、驚くほど綺麗になる様子が披露されました。強力な洗浄力を持ちながらも、安全性が高く、使用者に優しい設計となっています。また、日本エヌ・シー・エイチでは専用の洗浄剤を開発しており、これにより他社製品と比べても高い洗浄力を誇ります。さらに、レンタルサービスを提供しており、月に一度のメンテナンスを担当者が行うことで、常に最適な状態でご使用可能。この定期的なメンテナンスと洗浄剤の調整が大きな特徴になっています。
創業40周年!ヤマグチレッカーが誇る最新レッカー車
株式会社ヤマグチレッカーは1984年に創業し、今年で40周年を迎えました。展示ブースでは、最新のレッカー車が紹介され、その機能が詳しく説明されました。アンダーリフト機能を搭載し、タイヤを持ち上げて運搬したり、オートマチック車両を安全に移動させるためにドーリーを使用して後輪を持ち上げたりできるなど、レンタカーの特徴がよく分かります。
大型レッカー車は、ブームを最大限に伸ばすと12メートルにもなります。車両の耐荷重量は50トンでという高性能を誇り、価格は1億3000万円!ヤマグチレッカーの強みは、自社でロードサービスやレッカーサービスを運営しているため、実践的なノウハウが詰め込まれたレッカー車を提供できることです。社長自身もレッカー車での運転経験が豊富で、現場のニーズを的確に反映した製品作りが評価されています。
編集後記
今回のトラックショーでは、非常に大きくてかっこいいトラックが数多く展示されていましたが、比較的小さめの車両が目立っていたように感じました。ドライバー不足が深刻な問題として業界内で叫ばれる中、女性や未経験者でも運転しやすいトラックが増えていることが伺えます。これは、業界全体が一丸となってドライバー不足の解消に向けた取り組みを進めている証拠と言えるでしょう。展示会を通じて、そのような変化や努力が感じられたことは非常に印象的でした。ロジパレジャーナルでは、これからもトラック業界の進化と取り組みに注目していきたいと思います。